晴天の霹靂

びっくりしました

2020-01-01から1年間の記事一覧

夏目漱石『門』~もちろん、寝ると瞑想にならない

少し前に読んだ瞑想の入門書で、「瞑想中にどうしても眠くてつらいときは姿勢をただして横になって瞑想してもかまわない」と書いてあったのだ。 夏の暑さになんとなく払いきれない眠気が付きまとう炎昼、 「そういえばどこぞの高僧が、横になってもできるっ…

今あれを飲んだの。あんまり綺麗だったから。

さすがの北海道もずいぶん暑いなあと思っていたら土用入りしており、今年も巷がうなぎまみれである。 焼き冷ましでもこんなにするのかな、くらいの高級蒲焼きに伍して立派にも場所を占めている穴子は四半分くらいの値段。 やけにおいしそうに見えたので穴子…

2020年上半期読んで面白かった本

今週のお題「2020年上半期」 今年はメモと通し番号をつけながら読書をしているので比較的多く、現時点で110冊だった。 電子書籍ゆえ、短編ひとつで一冊の扱いになっていたり、あるいはコミックスも入っているので、相当にインチキめいたところがあるものの、…

扇子の修繕 ~そもそもすぐ壊れるものはすぐ直るのではなかったか

去年買った扇子が、2シーズン目にしてすりきれてきた。 毎年ボロボロになるので果たしてどれくらいのお値段のものなら末永く使えるのであろうなど考えて買ったのだ。 高い部類ではないが、国内の専門店で手作りされているものだ。 それでも紙はたやすく破れ…

花の名前備忘録 ~だいたい575くらいのアナグラム

結構前に読んだ俳句の本です。 調べたら2017年に買ってました。 他流試合――俳句入門真剣勝負! (講談社+α文庫) 作者:金子 兜太,いとう せいこう 発売日: 2017/02/21 メディア: 文庫 その時何を思って買ったのだったかまったく思い出せないのですが、読んでい…

近頃、瞑想中に眠くなる問題 ~上を向いて座ろう

だいたい毎日瞑想をする日々、やればやるほど面白いと思っていたところではありますが、事ここに至って思いがけない問題が勃発しました。 瞑想中眠い。 身体がぐらぐら揺れるくらい急激に眠い。 眠気がはじまったのが猫を看取ったころだったので、単純に寝不…

話聞く猫聞かぬ猫 ~狭い野原にりんどうのつぼみ

「ねえ、まあちゃん」 と、名前を呼んでも我が家の黒猫は知らん顔をする。 「ちょっとお」 と、こちらから出向いていって背中をちょいちょいとつつくとやっと、くにゃっと半身をひねって振り向く。 「無視しないでよ」 人間としてはいささか威厳のない苦情を…

『吾輩は猫である』 ~君は一人でも楽しく暮らしていたか

こんなにも広く人気者でもあり、また、神経を病んだ一文学者の心を癒して大文豪へ変身を遂げさせたほどの功績ある猫を水瓶の中なぞで死なせたのは一体何のためか、と読むたびに思ってしまう。 吾輩は猫である (角川文庫) 作者:夏目 漱石 発売日: 1962/09/13 …

我が家にもコショウが入りました ~IKEDAペパーミル

落語が好きで、寝るときなどに時々聞くのだけど 「いつ聞いてもサゲがよくわからないねえ」 と思うものの一つに『棒鱈』という噺がある。 流れから考えても終わるキッカケ程度のサゲのようだし、話す方も「ここは通じなくても構わない」と思ってしゃべってる…

花事典~その花の名前を啄木は知っていたのか

近頃、絶やさないように花を買っている。 きっかけは猫が亡くなったことだ。 ずいぶん久しぶりに花を買ったら、思いのほか明るい気分になるもので、ありあわせのグラスなどに不器用に活けるのも、毎朝傷んだところ摘んで綺麗に見えるように整えるのも楽しい…

『ネコメンタリー「ますむらひろしとモンとハテナとコマ」』~わたしはひとりのザネリなのだ

一週間ほど前に我が家の猫を看取ったときに読んでいたのがますむらひろしの『銀河鉄道の夜』だった。 それは、本当に銀河鉄道に乗ったような不思議な夜だった。 銀河鉄道の夜 (ますむら・ひろし賢治シリーズ) (扶桑社コミックス) 作者:ますむら ひろし 発売…

君を待つ背中に向日葵の香り

顔を見るたびに猫がニャアと鳴く。 猫のことなれば、ニャアと鳴くこと自体に文句があるじゃないが、要するに彼女の主張しているのは「退屈であるから遊べ」ということであり、 気持ちは重々承知だが、こちらとしてもまさか一日中付き合うわけにもいかないの…

アリョンカビスケット97円

ロシアに行くと「アリョンカ」というチョコレートがよく売っている。 別に美味いともまずいとも思わない普通のチョコレートだが、パッケージの少女を見つめると目をそらしにくい仕組みにはなっており、しばしばロシア土産として頂戴した折にはその表情によっ…

久米宏の形態変化に驚いた。

ラジオが好きで、radikoのプレミアム料金385円を払ってエリアフリーやらタイムフリーやら多用して情報を取っています。 radiko.jp 報道番組などは地方と比べて解説陣やパーソナリティが充実してることが多いので東京のエリア放送を普段からよく聞いています…

君とふたりで眠り猫。

黒猫がクローゼットから出てこない。 もともとフリーダムな性格で、こだわりなく行きたいところに行っては芝刈り機みたいにゴロゴロとリラックスをアピールする恐れを知らぬ存在として暮らしていたものを、 ある瞬間に家に病と死の気配が持ち込まれときから…

『鬼灯の冷徹』~傾向分析と早めの対策に

私の立てた作戦は、ロードマップの把握と早めの根回しである。 落ちる方も送る方も、忙しいのだ。 鬼灯の冷徹(1) (モーニングコミックス) 作者:江口夏実 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 人間は死後四十九日で行く先が決定するが「猫ちゃんはもう…

鰹節を袋ごと抱えてたべるのが夢

手の平に容易に乗るサイズで我が家にやってきた生後二か月の子猫を、 「やれ食が細った、やれちょっと太り気味、やれ鰹節が好物だが腎臓に悪かないか」 などとあれこれと神経をとがらせて600グラムの毛玉から五年と十か月かけて五キロまで大きくしたのだ。 …

『銀河鉄道の夜』~移動時間の贅沢

ミグノンという犬猫保護のための活動を行っている団体の代表である友森玲子さんという人が、「動物を介護するのは人生のご褒美みたいな時間である」という話をしているのを以前どこかで読んだことがある。 それ以上には説明がなく、それっきりの言葉だったの…

『猫怪怪』~不思議でもあり不思議でもなし

家の 猫が入院して、どうにも固い文章の小説が頭に入ってこなくなってしまったので猫の登場する本ばかり漁っては読んでいる。 猫怪々 (集英社文庫) 作者:加門 七海 発売日: 2014/11/20 メディア: 文庫 猫好きの怪談作家が弱った子猫を拾うエッセイ集だ。 拾…

『ノラや』~嘘ではないし無邪気でもない

老作家の家に居ついた若い野良猫がある日庭のトクサの繁みを抜けてそのまま居なくなってしまったのを、身も世もあらぬと言ったていでひたすら悲しみ続ける随筆である。 猫を飼う前からよく読んでいて、自分が猫など飼い始めたら悲しくて読めなくなるのではな…

猫さらいと黒猫

我が家にいるチビの黒猫からしてみると事情はこうだ。 最近、兄猫の食べる量が減って来たので遠慮なくモリモリと二人分のご飯を食べ暮らしていたところ、ある日突然兄ちゃんの様子がおかしくなる。 人間が大きな猫リュックを持ち出してきて兄ちゃんを入れる…

『クリームパンもういっこください』~虎猫回想録

我が家の虎猫は、生後一か月でもらってきたときは背中が真っ黒で腹のあたりに少しグレーの斑点のある子猫だった。 だいたい黒猫なのだな、と思いながら育てていたら、背中が延びるにしたがってグレーの筋が入ってきて、いつの間にかわりとちゃんと黒とグレー…

諸行無常を膝にのせ

『猫なんかよんでもこない。』なんかを読んだからこうなった、ということでは全くないのだが、色々不思議な気持ちにはなる。 rokusuke7korobi.hatenablog.com ここ一週間ほど我が家の虎猫の、餌を食べる量が減ってきたのだ。 時々食の細る子で、「最近あんま…

机周りのケーブル類を整理する~やっぱり小型強力マグネット優秀

我が家では小型の強力マグネットをたくさん使ってます。 手帳にボールペンをくっつけておくシステムなどは天才的な発明であると信じてはばからないところで、使ったり、ぺしっと戻したりする瞬間が毎回大変気持ちよい日々です。 rokusuke7korobi.hatenablog.…

猫、瞑想、および反省タイム。

毎日25分ずつ瞑想をしている。 家で仕事をする時間が長くなって、できるだけ集中しやすい状況を作るためにはじめたことではあるが、慣れるにしたがってすっかり快適になり、今となっては瞑想なしでどうやって家で集中できるのかが分からない、という気分にす…

麦茶の思い出 ~ここに80年代の野生動物たちを代表いたしまして。

子どものころ飲んでいた麦茶は、今思えばおいしかったのだ。 いちいち、丸い麦の粒をやかんで煮出して、冷やしたものだ。 わたしが子どもだった80年代でもすでに、だんだん水出し用のティーパックが主流になってきていたのだろう、うちの麦茶はおいしいとい…

『親孝行プレイ』~そこに大人としての成長が物語られている

今週のお題「お父さん」 急に親孝行などと思い立ってみたところで、父親という散々見慣れた人間の話をさほど興味を持ってきけないのは当然のこと、らしい。 たしかに、そういわれてみればそうだ。 親孝行プレイ (角川文庫) 作者:みうら じゅん 発売日: 2007/…

ポモドーロテクニック ~仕事集中用のアレクサスキルが使いやすい

近頃よく使うようになったアレクサスキルです。 集中タイム 発売日: 2019/09/19 メディア: アプリ しばらくの間、「なぜ仕事用のアプリなのに真っ赤な苺のマークなんだろうか」と思いながら使っていたのですが、よく見るとこれポモドーロタイマーですね。 か…

つまりはただ、眠たかったのである。

近頃、少しずつ暑くなってきたせいか、夏至が近くて朝が早いせいか、やや寝つきが悪くなっていた。 わりと快調だったこともあり、睡眠時間も多少減らしていた。 六月の湿度の高い暗い雨の夜。 布団の中で眠れないことに気付いたが、本を読もうというモードで…

暑がる猫、暑がらない猫

昼間の気温もだいぶ上がってきて 家のいたるところでしまりのない猫が転がっている。 あまり行く先々にいるので 「いったい何匹いるんだっ!」 といきなり疑心暗鬼になったりするが、冷静に数えるとちゃんと二匹なのだ。 そしてこの季節からやたらどこにでも…