晴天の霹靂

びっくりしました

猫俳句

かわいい猫も痛いのか

眠るときはいつも左を向いて、抱き枕にチョークスリーパーの姿勢でKindleを読みながら寝る。 読書に夢中になっていると黒猫がのっそりとやってきて、横向きの私の上にしっくり香箱を組む。仰向けの人間に乗る猫というのはまま見かけるが、横向きの人間の体側…

カーテンの向こうきさらぎ猫の足

猫が爪がカーペットにひっかかって歩きにくそうにしているので久しぶりに爪を切った。 うちの子はずいぶんと爪切り嫌いの猫で、ほとほと手を焼いたものだが、最終的にYou Tubeでキャットグルーマーの動画を見て研究した結果、抱っこさえさせて貰えれば切れる…

光の蝶追いかけている猫寝言

年越しに買った生花に入っていた松の枝先から小指の爪くらいのサイズの松ぼっくりがポコポコと生え、同じような日々を送っているようでいて季節が動いているのだなあと実感させられる。 年越し用の生花には、流通上の理由からであろう、花よりも長持ちする枝…

積読を枕に猫の春炬燵

雪原に連続性のないカラスの羽と足跡。 新雪の中にひょいと飛び込んで、ちょっと遊んで寒いのでまた飛び立ったのだろうか。 立春を過ぎても人類にはまだまだ寒いが、猫はこちらよりだいぶ早く春を感じ取る。 おお寒いと不平勝ちに家の中で用事を足している合…

臍のない煮こごり猫の甘え方

吹雪と吹雪の合間に惚れ惚れとするような冬晴れがやってくる。 新雪に埋め尽くされた晴天は、光の中の光、白の中の白、という色をしており、これほどの美しい風景は豪雪地帯の人でもなければ見ることもあるまい、などと思う。 路肩の雪山は一日でいきなり高…

餌皿の前で呼ぶ猫着ぶくれて

お手洗いに俳句日めくりをかけること三年目。 今年はいよいよ図に乗るも甚だしく、三色ボールペンをセットで掛けておいて 「この句は何が面白いのか」 などと赤字でかきつけるなどの暴挙に及んでいる。 トイレだけにクソリプである。 クソリプ依存の人はむや…

毛布揉む猫の真顔の黙示録

40代も半ばを過ぎて、何が一番びっくりしたかといえば、何もしていないのにいきなり気管にツバが入って死にそうになることだ。 明らかに私のせいではなくて設計がおかしいはずだと思うのだけど、インテリジェントデザイン説の人たちはあまりムセない体質な…

寒中の時の女神や猫光る

ひとくち噛むとまぶたの裏にバター色の稲光が見えるくらいおいしいクロワッサンを売っているパン屋さんを見つけた。 3年もこのあたりに住んでいるのにちっとも気づかずに暮らしていたとは、私かパン屋さんのどちらかが時空のエアポケットに落ちていたのに違…

毛糸玉どかして猫が膝にのる

正面からロックンロール風ファッションで決めたイケオジが、ゆうゆうと犬の散歩をさせつつ歩いてくる。 シェパードあたりが似合いそうないかつい散歩のお供で歩いているのは、うちの猫くらいのサイズの牛柄の子犬。 なるほど、これがギャップ萌えというもの…

凍て星の下に寝る猫黒光り

今シーズン一番の大雪なのだそうで、たしかにたくさん降ったのだ。 それにしても、昨シーズン本当に往来のあちこちで雪に埋まった車が進退窮まって止まっている風景を目にした記憶が強烈なので 「そうは言ってもまだ普通の大雪だな」 という気がしている。 …

初鴉出て行きたがる猫止める

近所のパン屋さんへ行く。 パリパリの生地のアップルパイは、焦げやすさのギリギリを攻めた職人仕事のお陰でいかにも香ばしく焼き上がっている。 ポテサラパンは、まったくてらいのないみっちりしたコッペパンに千切りのキャベツとふわっとしたポテトサラダ…

寒の入り黒猫の目に涙あと

年末にカップウォーマーを貰って予想に反して便利だった話を書いたのだけど、使い続けると予想に反してもうひとつ便利な点があるので、ついでにそれも書いておくことにする。 rokusuke7korobi.hatenablog.com おまけ程度ながらスマホスタンドがついているの…

猫のひげ平和の宿る松の内

お店で何を手にとってもどうも前より高くなってる気がしている昨今、 初売り後からまたなんだか一段階価格の水準が上がったように思える。 こちらが油断してるスキに上っているとは薄情、と売り場を見まわせば、一角にたくさん並んだ数の子に豪勢に半額シー…

去年今年こたつは猫の夢の国

ありがたいことに今年も良い正月を過ごした。 毎年、「こんなにたくさん作ってどうするのか」とひとりで呆れる正月用の料理も、老父におすそ分けしたり、友人にふるまったりするうちに、新年三日目には、はかったようにぴったりと底をつく。 中でも、これま…