晴天の霹靂

びっくりしました

虎猫回想録

猫の送り火(フライング)

昨夜のことだ。 寝る前に換気をしようと窓を明けて夜空を見ていたら、外でにゃあ、と声がした。 慌ててベランダに身を乗り出して下を見る。 声の正体はわからない。ここは五階である。 「明日ちゃんと送って上げるから、もう一日ゆっくりしていきなさい」 な…

猫の迎え火

近所に、いつも人気がなく朽ちかけた小さな墓地がある。 静かなのが気に入っているのでよく歩きにいくのだけど、今日は墓地全体がずいぶん晴れがましいのに驚いた。 あちこちに切りたての新鮮な花が供えてあって、高そうな立派なユリまでたくさんある。 一族…

茅の輪くぐり ~猫と人の無病息災

近所の神社に夏越の祓の茅の輪が出ていてちょっと驚いた。 昨年のこの時期は出ていなかったからだ。 感染症対策で取りやめていたんだろうか。 昨年の今ごろのことを、とりわけよく覚えているのは先代虎猫の一周忌だからだ。 ちょうど一年前、どうもなんだか…

深夜二時、レモンゼリーと骨壷袋

深夜2時にかんてんぱぱで作ったレモンゼリーを食べていた。 まず、なぜ深夜2時にかんてんぱぱで作ったレモンゼリーを食べていたのかという話をしようと思う。 お腹が空いたのだ。 お腹が空いたが、大人としてはこんな夜更けになにか食べるというのはいかが…

『ネコメンタリー 猫も、杓子も』~寿命の短い生き物を愛する欲望

NHKの「猫も、杓子も」というドキュメンタリー作品を、放送されるとついつい見てしまう。 愛猫家の作家と猫の日常を撮影するだけの、毎回ごく平和なフィルムなのだけど、画面の中に猫と本棚という、私の好きなものふたつが実によく映るという意味で、全編実…

桃の枝を買う ~花もいいが枝もいい

今週のお題「雛祭り」 桃の節句が近いので、花売り場にたくさんの桃の枝が出ている。正直言うと、梅だか桃だかよくわからないのだが、菜の花やあやめとセットにされているところから類推するに、きっと節句用の桃であるような気がする。いや、本当のところは…

南天の白い花 ~猫の藪入り

2021年は、手洗いで俳句の日めくりカレンダーを使っている。 俳句やら、季語やら、七十二候やら、月齢やら。 毎日、知ってるような知らないような情報が満載で楽しい。 新日本カレンダー 日めくり 2021年 カレンダー 俳句の日めくり NK8813 1月始まり 発売日…

ミニロールケーキ猫いちご添え ~卵焼き器とクリスマス

買ったばかり南部鉄器の卵焼き器にせっせと慣らせるクリスマスである。 岩鋳 Iwachu 玉子焼(木柄付) 黒焼付 内寸18×15cm IH対応 南部鉄器 24017 メディア: ホーム&キッチン 油慣らしと年末に作る予定の伊達巻のサイズ感を掴むのを兼ねて、ホットケーキミック…

冬になれば毎日の花は。

つい数ヶ月前までは、切り花を活けてもあっという間に傷むことに困っていたのが、気がつけば、いつまでも長持ちするのに戸惑う気候になっている。 お花屋さんで安くて可愛い切り花をみつけ、「前に買ったのが随分前だから、そろそろ買い足そうか」と買って帰…

一人酒盛りする盆は

だいぶ前に人からもらって飲まないままに置いてあった地酒の小瓶があったので盆の15日に珍しく一人で開けた。 線香をたきながら、先月亡くなった猫と暮らした2014年秋からの写真を順に見返していく。 飲みつけない物を飲むので次第に鼻がグズグズしてくる中…

花よし、猫よし、機嫌よし。

このところの暑さで、とにかく切り花がもたないのが悩みだった。 お盆で値段が上がっているところを、それでも花のないお盆が寂しくてちょっと張りこんで買ってくるのはいいが、どうかすると数時間で茹だったように首がしおれてきてしまう。 七月になくなっ…

こんにゃくの慈悲、モンブランのトラウマ

久しぶりに蒟蒻を買ってピリ辛蒟蒻にした。 「97%の水分および人体では消化できない食物繊維から成り立っているこの物質をわざわざ購入して己が消化器系に送り込む意義とはっ?」 などと店頭では考えてしまうので、うっかりしてると全然買わないまま長い時…

五七日(いつなのか)はスター登場 ~袖の下はこんにゃくでよろしいか

週末、猫の月命日だったので神社へ行ってきた。 ご近所の神様ゆえ、住所を告げて「うちに帰りたそうにしてたら連れてきてやってください」とねんごろにお願いする。 朝晩線香をたき、暑い盛りに花が絶えないように小まめに面倒をみたり、なんやかや手数がか…

地図にはない神社

偶然、地図に載っていない小さな神社を見つけたので、ついのことでちょっと参拝してきた。 ひっそりと短い参道もかわいらしい、小さいなりに大切にされてきた感じのある場所だ。 お堂の脇の木陰には、これまた小ぶりな馬頭観音の碑がある。 北海道の神社は開…

話聞く猫聞かぬ猫 ~狭い野原にりんどうのつぼみ

「ねえ、まあちゃん」 と、名前を呼んでも我が家の黒猫は知らん顔をする。 「ちょっとお」 と、こちらから出向いていって背中をちょいちょいとつつくとやっと、くにゃっと半身をひねって振り向く。 「無視しないでよ」 人間としてはいささか威厳のない苦情を…

『ネコメンタリー「ますむらひろしとモンとハテナとコマ」』~わたしはひとりのザネリなのだ

一週間ほど前に我が家の猫を看取ったときに読んでいたのがますむらひろしの『銀河鉄道の夜』だった。 それは、本当に銀河鉄道に乗ったような不思議な夜だった。 銀河鉄道の夜 (ますむら・ひろし賢治シリーズ) (扶桑社コミックス) 作者:ますむら ひろし 発売…

君を待つ背中に向日葵の香り

顔を見るたびに猫がニャアと鳴く。 猫のことなれば、ニャアと鳴くこと自体に文句があるじゃないが、要するに彼女の主張しているのは「退屈であるから遊べ」ということであり、 気持ちは重々承知だが、こちらとしてもまさか一日中付き合うわけにもいかないの…

アリョンカビスケット97円

ロシアに行くと「アリョンカ」というチョコレートがよく売っている。 別に美味いともまずいとも思わない普通のチョコレートだが、パッケージの少女を見つめると目をそらしにくい仕組みにはなっており、しばしばロシア土産として頂戴した折にはその表情によっ…

君とふたりで眠り猫。

黒猫がクローゼットから出てこない。 もともとフリーダムな性格で、こだわりなく行きたいところに行っては芝刈り機みたいにゴロゴロとリラックスをアピールする恐れを知らぬ存在として暮らしていたものを、 ある瞬間に家に病と死の気配が持ち込まれときから…

『鬼灯の冷徹』~傾向分析と早めの対策に

私の立てた作戦は、ロードマップの把握と早めの根回しである。 落ちる方も送る方も、忙しいのだ。 鬼灯の冷徹(1) (モーニングコミックス) 作者:江口夏実 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 人間は死後四十九日で行く先が決定するが「猫ちゃんはもう…

鰹節を袋ごと抱えてたべるのが夢

手の平に容易に乗るサイズで我が家にやってきた生後二か月の子猫を、 「やれ食が細った、やれちょっと太り気味、やれ鰹節が好物だが腎臓に悪かないか」 などとあれこれと神経をとがらせて600グラムの毛玉から五年と十か月かけて五キロまで大きくしたのだ。 …

『クリームパンもういっこください』~虎猫回想録

我が家の虎猫は、生後一か月でもらってきたときは背中が真っ黒で腹のあたりに少しグレーの斑点のある子猫だった。 だいたい黒猫なのだな、と思いながら育てていたら、背中が延びるにしたがってグレーの筋が入ってきて、いつの間にかわりとちゃんと黒とグレー…