晴天の霹靂

びっくりしました

テレビ

昔はものをおもはざりけり ~昭和歌謡の本歌取り

マツコの知らない世界の「昭和歌謡の世界」が面白かったのです。 tver.jp 世代的に懐かしい、というのもずいぶんありますが、大変興味深かったのが『勝手にしやがれ』が『プレイバック part2』のアンサーソングだという分析でした。 放送上では一応「諸説あ…

『光る君へ』7回おかしきことこそ ~テーマパークみたいな京都

大河ドラマ『光る君へ』の話をしますよ。 第5回あたりまでの、紫式部も道長も若く身分も軽くて比較的汚い格好で街中をほっつき歩いてる感じは楽しくて「なるほど大胆なアレンジ!」と思ってたんですが、最近ちょっと暗雲立ち込めてきていませんか。 大丈夫…

『光る君へ』第3回と、映画版『源氏物語』あれやこれ

おもしろかったから今週も『光る君へ』の話をしますよ。 だいたい大河ドラマはよそ見したりしながら「ついでにチラチラ見る」くらいのものだと思っていましたが、第三回「謎の男」は普通にしっかり見て、最後に「えっ、もう終わり?」と思ったので、面白いの…

『光る君へ』第2回 ~主人公は浅はかで良く走るのがいいよね

大河ドラマ『光る君へ』が、最低視聴率だなんてニュースも見かけますが、非常に面白いです。 「そうでしょうとも。吉高由里子の平安コスプレとか興味ないし」とか言ってないで、見よう見よう。大石静の脚本ですよ。 www.nhk.jp 晩婚の上シングルマザーになっ…

『光る君へ』第一話 ~ちゃんと性格悪くて安心した

第一回放送観ましたよ。 思ったより面白かったので良かった良かった。 www.nhk.jp やはり「人が生きてる感じがしないセットと衣装」とか「現代人にしか見えない表情と仕草」とかを脳内変換しながら観るという負担は感じるものの、壮大な女地獄絵巻を書くこと…

『光る君へ』を、見るの見ないの

年始に買った『現代短歌版百人一首 花々は色あせるのね』という短歌集が大変面白く、今年はしばらく古典にハマっておくのもいいなあ、なんて思いながら日を過ごしておりました。 現代短歌版百人一首 花々は色あせるのね 作者:東直子 春陽堂書店 Amazon 百人…

『ジブリと宮﨑駿の2399日』~脳みその蓋が開いたとき

NHKで放送した宮崎駿の「プロフェッショナル 仕事の流儀」が戦慄のおもしろさでした。 www.nhk.jp 今どき6年以上ジブリに「書生」として取材者を潜伏させておけるNHKの財力(みなさまの受信料)もさることながら、新作の『君たちはどう生きるか』をここまで…

『パリピ孔明』って予想より面白くなかった?

『パリピ孔明』どうでしたか、って話ですよ。 www.youtube.com 「またそういう誰も得しない企画立てて。誰利権?」などとただれた邪推のツッコミ体勢で第一話を観たんですが、思ったより面白い気がしてかえって困惑したもんです。 元々突飛な漫画を、実写化…

『大奥』~いきなりただ事じゃないと思ったら。

「NHKドラマ『大奥』が面白い」 という話が、たまたまつけていたラジオ番組から聞こえてきたときには、私はまだ油断しておりました。 一応大河ドラマにつきあってるし(何がおもしろいのかまだあまりピンときていない)、時代物ドラマはひとつ見れば十分だよ…

『エルピス―希望、あるいは災い―』 ~東電OL殺人事件おじさんが開く突破口

師走も押し迫り、今シーズン私のイチオシドラマ『エルピス』も終わってしまった。 www.youtube.com あんまりとんでもない話なので後半はドラマの配信を待ちつつ、エンドロールでズラズラと並ぶ参考文献からKindleで手に入るものを次々読んでいた日々。 9冊挙…

『エルピス—希望、あるいは災い—』 ~マフィアルックの口の曲がった副総理は何をしたのか

『エルピス—希望、あるいは災い—』が、毎週毎回面白いですね。 www.youtube.com 最初の頃は政権から報道に圧力かけられてメディアも大変、という話かと思ってみていました。 それにしたって安倍一強政権下では絶対に放送されなかった話でしょうから大変興味…

『作りたい女と食べたい女』~コミック版の食いっぷりに追いついてくれると嬉しい

『作りたい女と食べたい女』っていう漫画が好きで読んでいたんですが、気づいたらNHKでドラマ化されていたのでちょっと驚いた。 作りたい女と食べたい女 1 (it COMICS) 作者:ゆざき さかおみ KADOKAWA Amazon 料理を「作りたい欲」ってものもあるし、「食べ…

鎌倉幕府成立におけるメフィラス史観

やんちゃな登場人物がだいたい成熟するか死ぬかしてしまったので展開が地味になってきた大河ドラマですが、私が思うに『シン・ウルトラマン』を通った人と通ってない人とでは違うドラマを観ておりますよね。 例のあの人が気になって仕方ない現象です。 そう…

アニメ『平家物語』~この先は悲しいがルンルン法皇を見ていたい

Netflixなどで順次配信中の超ハマっているアニメ『平家物語』がついに、源氏に追われて西に向かう船に乗ってしまったのが寂しい限りです。 あとはもう悲しいことしかないではないか。 www.youtube.com ずいぶんハマっていて原作としてクレジットされている古…

『西部警察』 ~無駄に燃やしているように見えて、本当に無駄に燃やしていた

令和の途中恐れ入りますが、ここで西部警察の話です。 西部警察 40th Anniversary Vol.1 [DVD] 渡哲也 Amazon 私もたいがい「昔の人」枠になってはきたものの、ギリギリ『西部警察』は見たことがないくらいのお年頃です。 「石原軍団が車をバンバン燃やす番…

アニメ『平家物語』~鎌倉殿の一方その頃

今年は久々に大河ドラマを観てやろうと『鎌倉殿の13人』順調に観ております。 偉いもんで「13,4で罪人の子として追っ払われてるのに30代になってもまだ田舎で一人で烏帽子かぶりっぱなしの素っ頓狂な人」に見えてきますね、大泉洋。 NHKはお金ありま…

『鎌倉殿の13人』~悪いのはすべて私の短期記憶領域

毎年見てるわけではないのですが、大河が三谷幸喜だというので久しぶりに見ました、『鎌倉殿の13人』。 歴史に全然詳しくないので、基本的には朗らかにやってくれさえすればありがたい。 www.nhk.or.jp 「おー、小栗旬だ、小栗旬だ。いやあ、小栗旬だねえ」 …

「おいしい給食」 ~誰もが持ってるあの記憶

久しぶりにかぎ針を手に入れたので、勢い余って帽子を編んでいる。 初心者なので、目の拾い方がどうも怪しく、調子よく編んでいても気がつけば勝手に目が増えたり減ったりする。 気づくたびに解いてやり直す、同じところを何度も何度も編み直すという悠長な…

『大豆田とわ子と三人の元夫』 ~天使は網戸をはめられない

「大豆田とわ子と三人の元夫」が、面白くって毎週楽しみに見ていたんですが、先ごろついに終わってしまって大変悲しいですね。 www.youtube.com これという明確なストーリーはなく、3回結婚して3回離婚した大豆田とわ子と、3人の元夫が「なんかわちゃわちゃ…

『生きるとか死ぬとか父親とか』さらにうちの父親とか。

美容室へいったら、もう何年も懇意にしてもらってるおとぼけ美容師(推定50歳前後・美女)が 「三週間前に突然母が亡くなったんですよ」 という話をしはじめた。 そういうスナック感覚とも言い難い話を美容師さん側からふるのも結構変わってるような気はす…

『ネコメンタリー 猫も、杓子も』~寿命の短い生き物を愛する欲望

NHKの「猫も、杓子も」というドキュメンタリー作品を、放送されるとついつい見てしまう。 愛猫家の作家と猫の日常を撮影するだけの、毎回ごく平和なフィルムなのだけど、画面の中に猫と本棚という、私の好きなものふたつが実によく映るという意味で、全編実…

『エヴァンゲリオン劇場版』および『呪術廻戦』~頑張ってみるもよし、楽しく見るもよし

TV版から初めてネットフリックスで着々と鑑賞中のエヴァンゲリオンシリーズ、めでたく「劇場版」まで見終わりました。 相変わらず、辛気臭いし、シンジ君はブツブツ言ってて動かないし 「……うむっ、やはり見るのがつらいぞ」 と思っていたのですが、巨大フジ…

『書けないッ!?』 ~「専業」と「兼」をめぐる実は大変デリケートな話

最近、『書けないッ!~脚本家吉丸圭佑の筋書きのない生活~』というテレビドラマを観ているんです。 (しかし中年にはタイトルが覚えられないし、覚えたところで満足に口も回らないのでもう少し短くしてもらえないものか) www.tv-asahi.co.jp 「売れない脚…

『100分de萩尾望都』~どの作品のどのコマが好きかという話をこってりしたくなる

新年からNHKで『100分de萩尾望都』を放送していたのが、まあ最高に面白かったです。www.nhk-ondemand.jp 一番好きな萩尾望都作品って何かなあ、『イグアナの娘』かなあ、『半神』かなあ、『トーマの心臓』かなあ、などと考えていてらぜんぶ取り上げてくれて…

『MIU404』における国産ジョーカー菅田将暉~ネタバレ

今クールはTBSドラマ『MIU404』を観ておりました。 『MIU404』9/4(金) 最終回直前!! スペシャルムービー【TBS】 「観ておりました」も何も、佳境を迎えたあたりでやっと「面白い」という情報をキャッチして第七話から見始め、要するにラスト5話分しか…

『ネコメンタリー「ますむらひろしとモンとハテナとコマ」』~わたしはひとりのザネリなのだ

一週間ほど前に我が家の猫を看取ったときに読んでいたのがますむらひろしの『銀河鉄道の夜』だった。 それは、本当に銀河鉄道に乗ったような不思議な夜だった。 銀河鉄道の夜 (ますむら・ひろし賢治シリーズ) (扶桑社コミックス) 作者:ますむら ひろし 発売…

『大草原の小さな家』~殿はなぜ御乱心めされたのか

いつのまにやらプライムビデオに『大草原の小さな家』が入っていました。 子どものころNHKで放送していたのを見ていて、原作が児童小説であることをしてクリスマスに本を買ってもらったりなどした思い出深いテレビシリーズです。 思えば、私の海外ドラマ初体…

『ウイルスVS人類~未知なる敵と闘うために~』 ~私が知りたいのはそれだった。

新型コロナウイルスというのはどうしてこんなにピンとこないのか。 人類たるものずーっと昔からウイルスとの闘いの歴史はあるはずなのに、今回なぜ「ようは肺炎」で、世界中の都市がこんなに徒手空拳で右往左往してるように見えるのか。 どの国もそれぞれも…

『ヤノマミ』~何度見ても読んでも夢中になるサークル・オブ・ライフ

NHKのドキュメンタリーの中で好きなものは色々あるが、何度も見返しても見返すたびによりびっくりするのは『NHKスペシャル ヤノマミ』だ。 最近NHKオンデマンドのシステムが変わって旧作のアーカイブも定額で見られるようになったのでまた食い入るように見返…

『欲望の時代の哲学2020』~哲学者もびっくりすると口が開く

今NHKで毎週火曜に放送しているマルクス・ガブリエルのドキュメンタリーを毎回楽しみに見ています。 最新放送分である第四回の放送がまた、のけぞるほど面白かったですね。 www.nhk.or.jp 番組はニューヨークのタクシーの車内の映像からはじまりました。 渋…