晴天の霹靂

上品な歩き方とかを習得できないまま人生を折り返すとは

近頃家で観たドラマ ~Netflixさんには、地味なドラマにも日本語版予告作って欲しい

近頃家で観ている配信ドラマなどあれこれ

○大河ドラマ『豊臣兄弟』

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大河をちゃんと観るのは久しぶり。

以前、映画『黒牢城』を観たときに、荒木村重という人がやたら印象に残ったのです。

その公開と同時期に、ちょうど大河ドラマ『豊臣兄弟』でも黒田官兵衛やら荒木村重やら出てくるあたりだったということで話題になっていました。

「そういうことなら頑張って今から追いつくか」

と一念発起、半年分28話を根性の一気見。

 

最初のあたりは、衣装とヘアメイクが素晴らしいのに感心してそこばかり見てました。

私は、時代劇といえば、顔面のふちにぐるっとかつらの境目が見えてる役者さんのイメージをいまだにひきずっている古代人ゆえ、今のようにみんな自分の生え際で出てきて、頭皮の地平線まで表情のまま自然に動くのを見ていると、それだけでたいへん楽しい。

また、衣装の外連にもたまらないものがあり、信長若かりしころの

「パッと見地味だけど、寄るとめっちゃ派手」

みたいな柄のあわせかたとか、毎週眼福の多いドラマでござりましたのお。

 

話のほうはいえば

「なるほど、多少筋道を犠牲にしてもテンポとエモーションを優先させる、今っぽく見やすい展開ですね」

と思って興味深く見ていたのが、後半にさしかかり、毎週愁嘆場があって、ほとんど全部の登場人物が必ず号泣する、という事態がつづくにつれ

「さすがにこれは”見やすさ”を通り越して、やり過ぎなのでは」

という不安を感じ始めた次第。

 

いかな私が古代人だといってもさすがに、戦国武将の知り合いはいないものの、あんなに円陣組んで号泣する武将ばっかりだったら、首もいだり鼻そいだりすることで歴史を動かすような事態にはならないのではないか、とは思ってしまうのです。

だって泣くことで結構カタルシス迎えてしまってるし。

 

とはいえ「とにかく軽くスルスル見ていられる仕掛け」というのは本当に興味深いものがあるので、せっかくだから今年は最後まで見届けようと思った次第です。

 

○Netflixドラマ『大草原の小さな家』


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私が子供のころにNHKで放送していたのでおなじみの『大草原の小さな家』をNetflixで作り直すと聞くに及んで

「なぜ今っ?」

と思ったもんです。

 

答えが分かったのは今年の7月4日。

アメリカが建国250年だというので大々的にお祝いするのを見て「なるほどこれに当て込んだんですね」と気づいた。

アメリカも最近は「移民追い返せ」みたいな物騒な動きが多いですけど

「実は今の国家体制になってから250年しか経ってないんです」って、堂々と言われると新しすぎて笑っちゃいますね。

ちなみに同じく入植植民地である北海道はまだ200年経ってないですけど、先住民差別と外国人排斥が年々やばい感じになってきており、本当に映し鏡なのも興味深いところです。

 

そんなわけで、先住民描写がどうなんだ、と近年言われ続けていた『大草原の小さな家』のリメイク版は「その土地に権利を持つ人達を追い出したすえの開拓事業だった」ということは、見逃しがしようがないほどしっかり描かれており、その点は細心の注意をもってやったな、と思います。

 

反面、農作業やってるシーンはないのにいつの間にかトウモロコシがしっかり育っていて驚かされたり。

釣りでも狩りでも果実の採取でも、「日々の糧」を現金経済圏に頼らずにどうやって調達したのか。どうやって家具や衣服などの生活必需品を作っていったのか、などの『大草原の小さな家』シリーズで一番おもしろい「ファミリー版ロビンソー・クルーソー」的なところが全然入っていないのは残念なことでした。

 

原作に入っていない登場人物のバックストーリーとかは、そんなに丁寧に追わなくていいので、「生活」と「食事」と「家事」を見せてくれ。

良いところも、そうでもないところもあるリメイクだと思いましたが、シーズン2の制作も決定したらしいので、次も来たら見ますよ。

 

○Netflixドラマ『デカメロン』


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『大草原の小さな家』を見るために久しぶりにNetflixに加入したら、なんと『デカメロン』が8話かけて作ってあったことに気づき、慌てて見始めた次第です。

 

よってまだ一話目なんですが、まあ馬鹿馬鹿しくておもしろいですね。

フィレンチェでペストが流行っててたいへんだからというので、貴族たちが田舎に逃げて乱痴気騒ぎをするお話。

死者が出過ぎたことによる秩序の崩壊があり、正体不明の病気への不安があり、不安からくる享楽主義があり。まあ、たいへんなお祭り騒ぎでくだらなくて目が離せません。

 

○Netflixドラマ『百年の孤独 シーズン2』


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これもシーズン2がいつの間にか入っていたことに気づいたので、これから観ていくところ。

 

『百年の孤独』の思い出話をすれば、ちょうど文庫化されて話題だった時期に、なにを思ったか亡父が買っていたんです。

「なんだかわからん」と言うので、私が読んだときに作った人物相関図を印刷して渡してみました。それからしばらくして

「読み終わった。あの相関図がなかったら読めなかった。おもしろかったのかどうかもよくわからん」

という感想。

「それはたぶん、おもしろかったんだろうな」と私は思ったもんです。

 

Netflixでのドラマ化が話題になったときも、興味あったようなので私のファミリーアカウントを貸して観られるようにしたら、やっぱり最後まで観たらしく

「シーズン2が来たら自分で加入して観る」

なんてことを言ってたので、結構気にいったのでしょう。

 

そのシーズン2は来たのだけど、本人はもう鬼籍に入って観られない、というのは、思い出すとすこし寂しい気がするものですね。

しかし、おもしろいのかどうかも判然としないままとにかく『百年の孤独』を最後まで読み通した70代、あの人はやっぱりちょっとおもしろい人でありました。

 

 

あとNetflixは日本ではあんまり受けなさそうなドラマだと日本語版予告編作ってくれないの、ちょっと寂しいです。観てる人もいるんだぞ!

 

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』~フローレンス・ピューは衣装が間に合わなかったんですか?

『スパイダーマン:ブランド・ニューデイ』を観てきました。

「ブランド・ニューデイ」って英語としても日本語としても、なんか落ち着かないタイトルだと思うんですが、なぜこうなったのか。


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前作までになんだかんだあって自分に関する記憶を世界から消したピーターは、相変わらずニューヨークでスパイダーマン仕事をこなしているが、親友や恋人を失った孤独感から親しい関係を拒んで生活している。そんな中ピーターの遺伝子に変移が起こりパワーをうまくコントロールできなくなるという危機が発生。一方そんな折、人の意識を次々に乗っ取りながら行動する超危険な敵が迫る。

……というような話でした。

 

まずは、「トム・ホランドすげえ」ということなんです。

童顔を活かした高校生役で登場して「ちょっと迂闊な良い子」の青春映画としてとっても楽しいスパイダーマンシリーズ三部作を残したわけですが、

あれから幾年月、「トム・ホランドが大人の顔付きになっちゃったらもう青春映画は無理じゃん」と、こちらは親戚のような心配をしてしまうってもの。

 

そしたら言わんこっちゃない、出てきたらジャンボモナカみたいなバキバキの腹筋で、「ここまでマッチョになっちゃったの?」とさっそくハラハラさせられます。

軽快にニューヨークの空を駆けるスパイダーマンが、そんなにガタイがいいというのはちょっとちがうのではないか、などと思い始めた矢先、トム・ホランドの印象の変わらないことに驚かされる。

あの筋肉量で、まだ”国民の弟分”みたいなキャラクターが違和感なく成立してるのすごい。いや、筋肉自体は気になるけど。

あまりにも仕上がりが良かったためか、今回はやたら脱ぎますね

前作で「スーパーヒーローたるもの大いなる力と引き換えに犠牲を払わねばらなぬのだ」ということで自己犠牲の物語を頑張ったスパイダーマンですが、今回はその自己犠牲に最初からがんじがらめになっています。

どうせ普通の人としての幸せはもう無理なんだ、と最初から諦める自己防衛に入ってしまうことで、ついに力のコントロールさえも無理になってきてしまう、という非常に良くできた続篇だったように思いました。

 

「しょっちゅう花を買う人である」という演出もとっても良いんです。トーンそのものを暗くすることなく、「常に喪失を悼んでいる人」ということは伝わって、過去の記憶がすでにその人の性格として定着していることが現れている素晴らしい表現でした。

 

そしてスパイダーマンの内的な葛藤が充実したぶん、「最強の敵」がいまひとつなんだかわからない存在になるのも致し方なく、最終的には「結局、空気清浄機を捜してた超能力少女だったんだっけ?」

というような認識になってしまったのでありました。誰が何をどうしたかったのか、ちゃんと理解できる前に話が終わってしまった。

 

あとは、顔見せとしてユニバースから客演願ったフローレンス・ピューとマーク・ラファロも、どうしても「出演するための役」にならざるを得ないので、二人のおかげで話しがややこしくなったところも否めなかったです。

 

そういうわけで、最終的に何の話しだったのか思い出すのが難しい展開だったわりには、非常に楽しくて満足感の高い好いエンタメだったのはすごかったんでした。

 

 

前作『ノー・ウェイ・ホーム』は公開日に観に行ったんですが、10年に一度というレベルの大雪で都市機能が大混乱だったため、「観てるこっちがノー・ウェイ・ホームなんだよ!」と思いながら鑑賞したのも良い思い出。

 

『ユースフル・ゴースト』~私も家電と会話はする方ですが

『ユースフル・ゴースト』を観てきました。

なかなかに、驚かされる映画体験。


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「タイのホラー・コメディであるらしい」ということだけ、ぼんやり知ってる状態で観に行ったんです。

そしたら、実際そうだったんだけど、それだけじゃなかった、という驚き。

 

後で知ったことによると監督は

タイで有名な怪談「メー・ナーク・プラカノーン」(死後も現世にとどまり、夫と禁断の愛を深めた女性メー・ナークにまつわる物語に着想を得た

という風に話しているそうなんです。

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その「メー・ナーク・プラカノーン」を知らなくても、もちろん「異類婚類譚」でもあるし、「ロミオとジュリエット」でもあって、世界中の誰が観てもすぐ理解できるドラマの中で、手に負えないほどいろんなことを縦横無尽にやっているのです。

 

見る人によってどの家電の話が心に残るかが変わりそうな話だと思うんですが、私は赤い掃除機ちゃんが切なかったです。

社会に認めてもらおうと思って一生懸命努力をした結果、ひろゆきみたいな言い切り型功利主義みたいなわけのわからない権力者の言うことをふらっと信じて、努力してしまい、どんどん心を失っていく。

頭が悪いからおかしなことを信じるんじゃなくて、一生懸命だから信じるんだ、というところが、本当に辛くて観てられないところでした。

 

その一方で、青い掃除機の方は、昼間に吸った埃を夜中に吐き出します。

「ここまで黙って吸い込んできたけど、もうこれ以上は無理」

と、話をきいてくれそうなアカデミック・レディ・ボーイのところに訪ねてくるのが、意味が分かってみれば本当に素敵なシーンでした。

観てるときは「今、何観てるんじゃろか?」って思ってたけど。

 

あと、まさかの冷蔵庫vs掃除機の家電頂上決戦とかも観られますし、ちょっとまとまった感想を言うのは難しいんだけど、面白い映画でした。