晴天の霹靂

びっくりしました

読書

『本は眺めたり触ったりが楽しい』 ~皮膚呼吸も読書のうち

最近めっきり電子書籍で読書をするようになって、よほどのことがない限り紙の本は買わない。 紙の本を買う理由は、電子版が出ていないものか、どうしても物質としてとっておきたいほど気に入ったか、無性に書き込みをしたい願望を掻き立てられるものか、であ…

『父の革命日誌』 ~大変素晴らしい葬式エンタテインメント

最近読んだめちゃめちゃおもしろい小説。 父の革命日誌 作者:チョン・ジア 河出書房新社 Amazon お父さんが電信柱にぶつかって死ぬところから、話ははじまる(そもそも電柱にぶつかると死ぬのか?) ひとり娘が喪主となって葬式をあげることになるわけだが、…

アスパラガスとプルースト ~野菜に姿をかえたとびきりの美女たち

雪が溶けて風の匂いから湿り気が減ってくっるこの季節、アスパラガスが美味しくてえらいことである。 近所にある酪農学園直営の販売所で、週末ごとにとれたてのアスパラが入荷するのを、売り切れる前に毎週せっせと買いにいく。 寒冷地の地面から出てきたて…

『プロレススーパースター列伝』~今さらリック・フレアーをちょっとかじる

令和6年にもなってナンですが『プロレススーパースター列伝』をちょっと読んでます。Kindle Unlimitedで読めるの。 プロレススーパースター列伝 5 (マンガの金字塔) 作者:原田 久仁信,梶原 一騎 グループ・ゼロ Amazon 最近見た映画『アイアンクロー』が思い…

『リングサイド』~ちょっぴりプロレスが染みるとき

2年くらい前に話題になったときに買ったまままだ読んでいなかった台湾小説を引っ張り出して読む。 リングサイド 作者:林育徳 小学館 Amazon なによりも表紙が素晴らしくて買ってしまったのだ。ええと、三沢と。誰だったかしら、……長州? 以前にも、心当たり…

3月に買った電子書籍9タイトルくらい

作りたい女と食べたい女 4 (it COMICS) 作者:ゆざき さかおみ KADOKAWA Amazon 以前3巻まで読んでその後しばらく忘れていたところ、NHKで実写化しているドラマの番宣で「主人公二人の関係が交際にまで発展しているようだ」という情報をキャッチ。気になって…

『三体』ネットフリックス版 ~何年待ったことかしら

ネットフリックスの『三体』配信がはじまりました。 蓋をあけてみたら45分程度のエピソードで全8話、だいぶコンパクトにまとめたんだなあ、と思ったものです。 www.youtube.com 3話まで観終わりまして「あっ、へっ、はー、ほー」などと随所驚きをまじえつつ…

全然ポーじゃない家族

「若い頃読んで人生に影響を受けた本は何か」というような話をしていて、その場に居た一人が「萩尾望都の『ポーの一族』」だと言い出した。 ポーの一族(1) (フラワーコミックス) 作者:萩尾望都 小学館 Amazon 周りは年を取るのにそれに置いていかれる孤独…

『文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百けん』 ~恐怖は耳からやってくる

冬は毎年のことであるが、寒い日が続くと肩こりから来る頭痛が長引く。立ち動けないほど酷いということもないが、やはり横になっている方がずっと楽で、なんとなく「あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ」などと往生際の悪いことを口では言いながらずるずる…

2月に買った電子書籍6タイトルくらいと番外編

今月も以前買った百人一首を読んでたり、昔買った大長編SF『三体』読んでた時間も長かったので購入タイトル自体はそんなに多くないのです。 哀れなるものたち (ハヤカワepi文庫 ク 7-1 epi111) 作者:アラスター グレイ 早川書房 Amazon 映画が面白かったのだ…

中国ドラマ『三体』を観終わる ~30話ずっとおもしろい

Huluにてドラマ『三体』観終わりました。 日本語字幕で音声は中国語のみ、かなりしっかり画面に集中する必要がある視聴環境での50分前後の30話です。 時間は掛かったけど大変面白い。そういう話だったのかっ! www.youtube.com 第一部は原作で2回くらい読ん…

『哀れなるものたち』~変な生き物見てるだけでも楽しい

『哀れなるものたち』を見てきました。 「また140分とかあるのか。これだから最近の映画は」 とかうっかり思っていたんですが、マーク・ラファロとウィレム・デフォーを見て大爆笑してたらあっという間に終わってしまった。 あんなにためらいなく机に頭ぶつ…

風のかけたるしがらみは ~あの駐輪場の川下あたり

現代人として”しがらみ”と聞けばほとんどの場合、思い浮かぶのは 「分かってんのよ。理屈ではそうだってわかってんだけど、言うほど簡単には行かないのよ。しがらみとか色々あって」 というやつではないだろうか。だいたい愚痴の文脈しか浮かばない例のあれ…

いつみきとてか ~その古い手口はおよしなさい

私が子どもの頃は、電話というのは今のようにいちいち持って出掛けたりする必要のないもので、ずっと茶の間においてあった。掛かってくると家族の誰かが出て、誰宛なのかを聞いてその人に取り次ぐシステムだったわけだ。 時々は若い男の声で「◯◯(名字)さん…

1月に買った電子書籍17タイトルくらい

今月はどう考えても『源氏物語』と『百人一首』ばかり買ってるし、しかも似たような書籍ばかり買いすぎてるような気がしたので振り返るのが怖い。 ちなみに古典しか読んでないわけでもなくて、huluで『三体』を観始めたタイミングでもあるので過去に買った「…

中国版ドラマ『三体』~huluに入ったなら入ったってもっと言ってよ

数年前に世界的に大ヒットした中国SF『三体』のドラマ版が、いつの間にかhuluに入っていたので大慌てしている今日このごろです。 SF小説としてはめずらしいくらいアッツアツの話題になっていた2020年、私もミーハー心を発揮して買って読み「たしかに異様なお…

ちはやぶる ~パリス・ヒルトンのインスタのようなものだとしたら

ちはやぶる、と聞けば落語の滑稽噺がまっさきに思い起こされる育ちなので、かるたとなれば札は取れるが、意味の方は現代語訳を読んでもあまりピンと来ない。語感はやたらゴージャスだけど、くくり染めって言われても、ねぇ。 田辺聖子の小倉百人一首 これが…

ながめせしまに ~振り向けばさだまさし

いつまで正月の話をしてるんだ、ってことではありますが、2023年末の紅白歌合戦のこと。 新年早々、お節食べつつ追いかけ再生で紅白を見ていると、唐突にさだまさしが出てきて『秋桜』を歌い始めたのです。 言わずと知れた、山口百恵のために書かれ、実際に…

これやこの ~渋谷スクランブル交差点の蝉丸

Kindle端末中心で読書をするようになっておもしろいことのひとつは、特定のテーマに興味を持ちバージョン違いも読んでみたくなったときにEnglish editionを入手するのが非常に簡単だ、ということがある(しかもたいてい日本語版より安いし、タップするだけで…

『光る君へ』第2回 ~主人公は浅はかで良く走るのがいいよね

大河ドラマ『光る君へ』が、最低視聴率だなんてニュースも見かけますが、非常に面白いです。 「そうでしょうとも。吉高由里子の平安コスプレとか興味ないし」とか言ってないで、見よう見よう。大石静の脚本ですよ。 www.nhk.jp 晩婚の上シングルマザーになっ…

『源氏物語』 ~燦然と輝くニューヒロイン登場

久しぶりに源氏物語に、まんまとハマっているのです。 元々わりと好きな自覚はあったのだけど、何年もほぼ読んでなかったので自分でも「もうあんまり興味ないんだな」くらいに思っていたものですが、なんのことはない読み始めると相変わらず好きなのでした。…

年末年始つれづれ

『バグダットカフェ』 バタバタしつつおせち料理はなんとか仕上げ、100均の小さい重箱に詰め、しかるべきところに配達。 「季節感の問題だからなんとなく紅白は見る」と思っていたが『バグダット・カフェ』が年内限定の無料公開だと知った瞬間「紅白とか見て…

年末年始おすすめ本『百一 hyakuichi』

何年前だったか、手帳を買ったときにおまけで小さな百人一首がついてきた。 「そういえば、どのくらい覚えてるものかな」 と思って、アレクサにランダムで読み上げさせつつ一人で札を取ってみたのだ。中学校なんかで参考書として買わされる「国語便覧」がず…

12月に買った電子書籍7タイトルくらい

12月はそもそもあんまり本を読む時間が取れなかったのと、紙の本や以前買った本を読み直していた量も多めだったのでKindle購入履歴はちょっと減ってる。 Golden Kamuy, Vol. 7 (English Edition) 作者:Noda, Satoru VIZ Media: VIZ Signature Amazon 着々と…

『賢者の贈り物』 ~櫛はいるだろ 

クリスマスといえば『賢者の贈り物』という一向にピンと来ない話がある。短編の名手と呼ばれる(らしい)O・ヘンリの小説を乱暴にも記憶だけにたよって再現すると、たしかこんな話ではなかったか。 貧乏なカップルが互いにクリスマスのプレゼントを贈りたい…

11月に買った電子書籍 7タイトルくらい

11月に買った電子書籍。 振り返ってみたら図らずも漫画の多い月だったのでちょっと照れた。いや、照れる必要はないか。 ゴールデンカムイ(英語版) Golden Kamuy, Vol. 4 (English Edition) 作者:Noda, Satoru VIZ Media: VIZ Signature Amazon 今月は4~6…

冬の寝る時三種の神器 ~読書端末、体にフィットするソファ、骨盤職人

無印良品の体にフィットするソファは、使い込んでへたってくると、座るというよりはむしろ寝る前に本を読むのにちょうどいい具合になる。 無印良品 体にフィットするソファ 無地 ・セット・小・綿デニム/ネイビー 幅45×奥行45×高さ33cm 44214930 無印良品 Am…

『エイジズムを乗り越える 自分と人を年齢で差別しないために』~読んでいたらうっかり誕生日

誕生日です。「それで、いくつになるんだっけ」と思って電卓アプリ出して2023から1977を引き算してみたりしまして、どうやら46しゃい。 本当にたまたまではあるけれど、すごく面白い本を読んでいて、こういうの読んでる途中で偶然誕生日が来るってのも、めで…

10月に買った電子書籍14タイトル

10月に買った電子書籍まとめ。自分で思った以上にアイヌ関連、北海道関連、先住民関連に集中していたのでびっくりした。 ゴールデンカムイ(英語版) Golden Kamuy, Vol. 4 (English Edition) 作者:Noda, Satoru VIZ Media: VIZ Signature Amazon 年明け早々…

眉毛脱色 ~今さらこんな愉快なことが

1977年生まれ45歳。眉毛を脱色することにハマりはじめている。 長い年月を眉毛剛毛族として生きてきて、手入れしてくれる美容師さんが近所にいない時期はほぼ眉ジャングルになったまま生きていくしかなかった半生であった。 ところがここに来て「体毛…