令和6年にもなってナンですが『プロレススーパースター列伝』をちょっと読んでます。Kindle Unlimitedで読めるの。
最近見た映画『アイアンクロー』が思いの外おもしろかったんですが、劇中に、印象の強いマッチョがいたんです。
アイアンクローをかけられて「うぎゃーっ」てなってんなと思ったら、試合後に頭から血流したまま控室に入ってきて、さっき負けた相手に「やー、大変だったね。飲みいこ、飲みいこ」とか言ってる、ご陽気な人でした。
後ほどその筋の人に聞くと「それはリック・フレアーという人である。昭和の子はみんなプロレススーパースター列伝を熟読していたから有名人だ」と教えてもらったので読みましたよ。
プロレスってこんなにすごいものか、と感心しながら読むことですね。
なんというんですが、言葉を選ばずに言えば嘘ばっかり書いておいて(アントニオ猪木談)とか堂々と書き足す大胆さに「おおぉ」としか言えない。
「リック・フレアーはハンサムだけど足が短いから勝てない」とか書いてあるんです。今となってはリック・フレアーの試合なんかいくらでも観られるから検索すると、当然どっこも短足じゃないですよね。
「でもそういう弱点があったけど、四の字固めは足が短いほうがしっかり決まると気づいてから勝てる選手になったのだ(猪木談)」みたいなことが書いてありまして。
私は未来人として読んでますから「これ絶対リック・フレアーに一言も断ってないよなあ」と思ったらおかしくて仕方ないし、なんでもいいから弱点克服出世物語にすればそこそこウケるだろっていうのも時代の雰囲気感じて本当に味わい深い。
huluに日テレプロレスアーカイブが入ってるのでリック・フレアーの来日試合を観ると、大変に人の目を引き付ける演技派の選手だったのでまるっと一本みてしまいました。
「いくらなんでも試合前に染めないとそこまで明るいブロンドにならないよね」っていうレベルの髪色だよなと思ってたら、映画と同じく試合の盛り上がるところで生え際あたりから流血したんです。
そしたら血の色がプラチナブロンドとの対比で非常に良く目立って、おまけにその頭を振ってアピールするので「おおすごい、連獅子だっ」となりました。本人は足が短いとかじゃなくて、何色の髪だったら血が映えるかな、とか考えてるのはそっちですよね、梶原先生!。
プロレスって、わかってない勢として見てると「この技って掛けてる方と掛けられてる方と、どっちが痛いのかな?」って毎回考え込んでしまうんです。
それでガチ勢に「これどっちが痛いの?」っていちいち聞きながら見ていたら「痛がってる方が痛いに決まってるだろっ!」って言われて本当に感心したことがありました。そうか、痛がってる方が痛いのがプロレスの本質か。
そしてリック・フレアーの痛がり方良いですね。「ひいい、もうやめてえ」って顔しますもんね。
あと、ロシアのレスラーがニードロップで片耳削ぎ落としたというエピソードも感動した。これはもうひとつの宇宙ですね。
新旧で何が違うのかわからないけれど新装版も全部Kindle Unlimitedで読めるようです