晴天の霹靂

びっくりしました

父娘エンターテインメント

自分のリスク判断においてバッハを恨むものではありません

今年は母の初盆である。 一人暮らしの父は、母が亡くなってから一年以上にわたって、のべつに緊急事態やらマンボウやらが出ている中でまともに人とも会えない状況が続いているようだ。 故人の思い出ばなしひとつする機会もろくに持てないままだろう。 「厄介…

さくら木の下、坊主めくり

数日前に観測史上二度目に早い桜の開花宣言が出たという陽気の中、月命日のお参りに行ってきた。 そこらの街路にも蕾を抱いた桜はあるが、開花している木がなかなか見当たらないのは、たぶんソメイヨシノでなくヤマザクラが多いからだろうと思われる。 そん…

『生きるとか死ぬとか父親とか』さらにうちの父親とか。

美容室へいったら、もう何年も懇意にしてもらってるおとぼけ美容師(推定50歳前後・美女)が 「三週間前に突然母が亡くなったんですよ」 という話をしはじめた。 そういうスナック感覚とも言い難い話を美容師さん側からふるのも結構変わってるような気はす…

ネギ畑に雪がふる ~ビギナーの見切り発車および先達の冷徹

ネギ畑に雪が積もった。 もとい、ネギ畑ではなくただ土が入っているだけのプランターである。 一見するとそこには土しかないが、その下一センチくらいのところには、小口ネギの根っこが十本ほど埋まっている。すなわち、私の目には細く天へ向かう青色の筋が…

どう立ち回っても後手にまわる師走との闘い ~正月の食事を考える

年末に向かって食材はどうせ高くなっていくので、年の瀬に使うとわかっていて日持ちのするものはそろそろ買い始めている。 たけのこの水煮やら、こんにゃくやら、栗の甘露煮やら。 改めて「おせち」を作るつもりはないとは言っても、元旦からお米を炊くとい…

ケサランパサランとメルケル首相

寒さが募ってくると肩こりの蓄積からの頭痛に見舞われる時期があり、今年はどうやら今がその季節らしい。 頭痛薬を飲んでコタツにあたっていると、いつの間にか眠ってしまうので大変困っている。 寝ながら困っているもないものだが、起きたときに困っている…

昭和37年卒業アルバムの異世界 ~〇〇〇〇〇タイム!!

実家から、1962年の札幌市内の小学校の卒業アルバム、というなかなかに貴重な民俗資料が発見された。 1962年小学校の卒業アルバム サイズの小さなアルバムの中に、まるで誰かが個人で作ったスクラップブックみたいに、チマチマ切り抜いた写真をめいっぱい並…

どんぐりを食べたい七十二歳の肖像

「おい、どんぐりは食えそうだぞ」 私が作って持っていった弁当を二人で一緒に食べていると、父がいきなり箸を止めて脈絡もなく言った。 ソファの方から一冊の本を持ってくる。 それは市内の図書館のラベルの付いた文庫本で、書名を見ると姜尚中の『母-オモ…

朗らか納骨 ~生涯だいたい一万円

なかなか気持ちよい秋晴れの中、母の納骨に行ってきた。 行きがけにちょっと和菓子屋に寄ってお供えを選んでいると、レジで小さなおばあちゃんがお会計をしている。 店員さんから 「ポイントカードおつくりしますか?」 と聞かれて 「いいのよ、いつまで生き…

父の梅漬け、娘のプルーン漬け

地元産のプルーンが旬でずいぶん安くなってるのをひとパック買ってきた。 重さを計って同量の砂糖を加えて果実酒用のガラス瓶に入れて、たっぷり表面まで浸るだけの酢を入れる。 香りの良さでは梅にかなわないかもしれないが、これはこれでとにかくもサワー…

この世で手間のかかること

虫を殺すために2、3日水に漬ける一か月天日で乾燥させる42度のお湯で一週間保温する皮をむく10日ほど流水にさらすあく抜き用の灰を用意する灰と実を2:1の割合でまぜる42度程度のお湯に入れて攪拌する作業を一週間ほど毎日行うph11程度になったら灰を洗い流…

お彼岸、豊平川の鮭遡上

男やもめになって二か月ほどの父は、いつ訪ねて行っても静かな家でローカルラジオを聴きながらちゃんとソファに座っている。 一人だからとテレビの前で一日寝そべっているようなタイプの人じゃなかったことをを今更知って「結構立派な人だったんだな」などと…

ホームメイド供養~素人戒名、読経デュオ

母の戒名をつけたのは、私なのだ。 誰に承認を受けたわけでもないその戒名は、実家にたまたま余っていた細長いタイルに油性ペンで書き込まれ、しばらく骨壺に寄りかかって斜めに立っていたのだが、 毎日見ているうちに「これはあんまりだ」と思ったらしい父…

カジュアル写経 ~無言の時間を共有するにも効果的

我ながら思いがけないことに、近頃少々写経をしている。 思ったよりずいぶんとカジュアルにできるもので、薄い和紙の下にお手本を挟んで上からなぞれば、あの虫みたいに細かい毛のたくさん生えた複雑な漢字を知らなくても一応ちゃんと書けるようになっている…

1984年、枝豆の端っこ

「収穫したら早く茹でないと味が落ちるって言われたから、それじゃあ仕方ないやるかと、茹で方をググったんだよ」 と言って齢70を過ぎたその男は冷蔵庫からタッパーに入った枝豆を出してきた。 何、枝豆を茹でられるようになったのかっ! 心臓がドキドキする…

『生きるとか死ぬとか父親とか』 ~あんたあたしのなんなのさ

切り花の高かったお盆の時期が過ぎてまた価格が戻ったと思ったら、並べられた花の色がめっきり秋ぽくなっている。 ワレモコウという、派手さのまったくない、ぽつんぽつんと離れて揺れるぼんぼりのような花がかわいくて、買って帰った。 秋には地味な色がよ…