晴天の霹靂

びっくりしました

父娘エンターテインメント

朗らか納骨 ~生涯だいたい一万円

なかなか気持ちよい秋晴れの中、母の納骨に行ってきた。 行きがけにちょっと和菓子屋に寄ってお供えを選んでいると、レジで小さなおばあちゃんがお会計をしている。 店員さんから 「ポイントカードおつくりしますか?」 と聞かれて 「いいのよ、いつまで生き…

父の梅漬け、娘のプルーン漬け

地元産のプルーンが旬でずいぶん安くなってるのをひとパック買ってきた。 重さを計って同量の砂糖を加えて果実酒用のガラス瓶に入れて、たっぷり表面まで浸るだけの酢を入れる。 香りの良さでは梅にかなわないかもしれないが、これはこれでとにかくもサワー…

この世で手間のかかること

虫を殺すために2、3日水に漬ける一か月天日で乾燥させる42度のお湯で一週間保温する皮をむく10日ほど流水にさらすあく抜き用の灰を用意する灰と実を2:1の割合でまぜる42度程度のお湯に入れて攪拌する作業を一週間ほど毎日行うph11程度になったら灰を洗い流…

お彼岸、豊平川の鮭遡上

男やもめになって二か月ほどの父は、いつ訪ねて行っても静かな家でローカルラジオを聴きながらちゃんとソファに座っている。 一人だからとテレビの前で一日寝そべっているようなタイプの人じゃなかったことをを今更知って「結構立派な人だったんだな」などと…

ホームメイド供養~素人戒名、読経デュオ

母の戒名をつけたのは、私なのだ。 誰に承認を受けたわけでもないその戒名は、実家にたまたま余っていた細長いタイルに油性ペンで書き込まれ、しばらく骨壺に寄りかかって斜めに立っていたのだが、 毎日見ているうちに「これはあんまりだ」と思ったらしい父…

カジュアル写経 ~無言の時間を共有するにも効果的

我ながら思いがけないことに、近頃少々写経をしている。 思ったよりずいぶんとカジュアルにできるもので、薄い和紙の下にお手本を挟んで上からなぞれば、あの虫みたいに細かい毛のたくさん生えた複雑な漢字を知らなくても一応ちゃんと書けるようになっている…

1984年、枝豆の端っこ

「収穫したら早く茹でないと味が落ちるって言われたから、それじゃあ仕方ないやるかと、茹で方をググったんだよ」 と言って齢70を過ぎたその男は冷蔵庫からタッパーに入った枝豆を出してきた。 何、枝豆を茹でられるようになったのかっ! 心臓がドキドキする…

『生きるとか死ぬとか父親とか』 ~あんたあたしのなんなのさ

切り花の高かったお盆の時期が過ぎてまた価格が戻ったと思ったら、並べられた花の色がめっきり秋ぽくなっている。 ワレモコウという、派手さのまったくない、ぽつんぽつんと離れて揺れるぼんぼりのような花がかわいくて、買って帰った。 秋には地味な色がよ…