ベランダ菜園
今年のベランダ園芸は、去年育てた朝顔の種をより分けて保存しておいたものを、プランターに撒いたおいたのだ。それだけなら良かったのだろうが、そのプランターには、面白がって野菜や果物から集めて乾燥させた、もはやどれがなんだかわからない種も色々適…
気象庁が積雪ゼロを言った途端に、いたるところで場所を取っていた雪の山が本当に、視界からほぼ消えた。 消えたあとからは、数ヶ月かけて雪道のあちこちに撒かれていた滑り止めの砂が現れ出てきて、急激に埃っぽい世界が生まれる。 特有の埃っぽい路肩で、…
ベランダに朝顔が咲いている。 7月のベランダにとって朝顔が咲くほど素晴らしいことは、なかなかないように思われる。 たったひとつのプランターに種を一袋全部蒔いてしまったせいでツル同士はぐるんぐるんに絡まり合ってしめ縄の様相を呈しているし、栄養不…
現状は、皆が私の仕事ぶりを率直に評価してくれた結果だと言える。 ベランダのプランターで朝顔の種は、ひとつまたひとつと芽を出しかわいい双葉を伸ばし初めている。 その隣のプランターでは猫草がふさふさと茂り、伸びててきたところを狙って猫が日々刈り…
プランターを覗き込んだら、今年最初の小さな芽がひとつ出ている。 朝顔の種を撒いたプランターなんだから朝顔の芽なのだろうとは思うが、昨シーズン面白がって雑にばらまいた果物か野菜の種である可能性も否めない。 しかし、去年見た朝顔の芽もこんなふう…
家中を開け放しておいても寒くない季節が来て、猫は楽しそうだ。 ベランダに出て黒い毛に太陽熱を充電することもできるし、日差しに疲れたら部屋に入ってきてブランケットを敷いたふかふかベンチの上で放電してもいい。 あるいはキャットタワーの一番上に昇…
なんとなくいつもより疲れやすいような気がして 「なんだ、何事だ、何の体調不良だ?」 と思ってそわそわしたが、落ち着いて考えたら残暑のせいだ。 今年は夏の滑り出しが異様に暑かったせいで気温に対する警戒心がちょっと平年とずれているが、30度超える…
南北の窓を開放すると風がよく抜ける造りになっている我が家のいたるところを 猫がせっせとウロついていている。 小走りでキャットタワーからリビングへ、クローゼットへ、廊下へ、書庫へ、とせわしなく移動する後ろ姿を目で追えば、小刻みに揺れるお尻のあ…
プランターに土を張って、気が向けば果物から取り出した種やら、発芽してしまった野菜やら、もらった百均の種やらを、時々好き勝手に放り込んでいたのが命名「我が家の限界農園」である。 冬の終わりから開墾しているものの、農園というよりは貝塚と言ったほ…
グラスに活けていた雪柳の枝は、あきれるほどの勢いで一気に蕾から満開になったあと、それこそ雪の降るような勢いで猛然と散った。 「これこれ君たち、室内であまり自由奔放に舞い散ってはいけないね」と思ったわたしは、新しく小さな花束を買った。ピンクの…
啓蟄である。 七十二候では「蟄虫啓戸」、すごもりのむしとをひらく、だ。 読めるかそんなもの。今年は季語の日めくりカレンダーを使っているので読めもしない季節感にやたら詳しくなった。 飼っている人なら誰でも知っている通り、猫にも啓蟄がある。 何ヶ…
今週のお題「雛祭り」 桃の節句が近いので、花売り場にたくさんの桃の枝が出ている。正直言うと、梅だか桃だかよくわからないのだが、菜の花やあやめとセットにされているところから類推するに、きっと節句用の桃であるような気がする。いや、本当のところは…
ネギ畑に雪が積もった。 もとい、ネギ畑ではなくただ土が入っているだけのプランターである。 一見するとそこには土しかないが、その下一センチくらいのところには、小口ネギの根っこが十本ほど埋まっている。すなわち、私の目には細く天へ向かう青色の筋が…