晴天の霹靂

びっくりしました

青空サラダバー開店

種をまいてもしばらくウンともスンとも言わなかったものを、ためしに外の日差しに当てたらいきなりにょきにょき伸びだした様子が可愛く、 「門脇麦ちゃん」と名付けてちんまり愛でていたところ、藪から棒に登場した黒い悪魔に猛然と食べられる。 もちろん、…

朝顔を植える

家中を開け放しておいても寒くない季節が来て、猫は楽しそうだ。 ベランダに出て黒い毛に太陽熱を充電することもできるし、日差しに疲れたら部屋に入ってきてブランケットを敷いたふかふかベンチの上で放電してもいい。 あるいはキャットタワーの一番上に昇…

嫌がる猫の爪を切るには ~まずは賢くなるべし

うちの猫は爪を切らせない。 それでも子猫の頃は嫌がるところをなだめたり透かしたりしてなんとかなってはいたのだが、お互い色々人生経験を詰んでいくなかで、彼女は私に爪を切らせない決意をしたらしい。 そりゃ私だって猫に舐められても仕方ないことを数…

猫また猫。猫また猫猫、猫の缶

猫缶、というとたいていは猫餌の入った缶詰だが、我が家の猫缶は猫柄の缶だ。 猫缶 全面に猫また猫が浮き出していて最高にかわいい。 隅々まで見ても何の缶なのか全然わからないところが洒落ている所以だが、これはベルギーあたりのクッキーが入っていた。 …

今年の花見の予定

半身をベランダに乗り出して後ろ足は部屋の中に残したまま、猫がじっと迷っている。 なにしろ何ヶ月もこたつの中で暮らしていたので、寒さというものに慣れていないのだ。 「肌寒いも気持ち良さのうちなのだから思い切って行って来たらいいのに」 と部屋にい…

今宵、月が出ていい気持ち

何ヶ月も延々とこたつの中で寝てばかりいたくせに、 日が長くなってくると 「なにか遊び足りないような気がする」 と、急に思うものだとか。 いつものように寝る前に布団の中で本を読もうとすると 天井あたりからじっと見られている気配がする。 「きっと気…

スーパー猫の日、吹雪の夜

2022年の2月22日が「スーパー猫の日」なのだそうで、ああそうそう、もちろん誰かがそんなこと言い出すと思っておりましたとも。 私が言うのもなんだが、みんなちょっと猫が好きすぎなのではないか。 なにかと言えばすぐに猫に癒やしを求めてばかりい…

猫に仲直り

ベランダに面した窓の外枠のところに、肉球スタンプが2つある。 朝、いつもどおり「パトロールにいくから窓を開けてごらん」と言いにきた猫が、いそいそと半身を乗り出し、一瞬固まった後バックして部屋に戻った状況証拠である。 深く屋根がついているので、…

猫と見る朝の雪

「しっかりめに雪が降りますんで」 という予報が出ていた日の朝、窓の外を見ると本当にしっかりめに降っている。 今日は寒いからさすがに猫もベランダのパトロールはしないだろうと思っていたら、「行くから開けろ」と譲らない。 寒いよ、と念を押して明けて…

顔の近くで眠る猫は

顔のそばで寝る猫は、飼い主のことをとても信頼している、なんてことが言われるらしい。 それはそうだろう。 こっちだって信頼しているからこそ、全然爪を切らせてくれない小型肉食動物と鼻息を掛け合う距離で寝ているのだから。 寒い季節なので、我が家の猫…

夏の朝顔 冬の猫

11月も終わりともなれば、部屋に差し込む日は低いのですべての日向が細長い。 その細長いところに、猫が細長く寝ている。 型に水ようかんを流し入れたように、日向に対して四隅まで過不足なくきっちりぴったり黒猫が詰まっている。 器用なものだな、と目を…

「ネコさんネズミさん」しようよ!

我が家のごきげんな猫がしつこい時というのは、だいたいひとつことを言ってきている。 「『ネコさんネズミさん』しようよー」 である。 猫と『ネコさんネズミさん』をするんだから、私が「ネズミさん」になりそうなものだが、どういうわけか大変倒錯的なこと…

腹の上の猫をめぐる洞察

真夜中に苦しくて目を覚ますと、腹の上で猫が寝ている。 暗がりの中で、私の呼吸に合わせてかすかに浮き沈みしている黒猫。 かわいい。 いや、そうじゃない。苦しい。 「ちょっ、ちょっとまろちゃん、ごめんよ」 などと言いながらそーっとそーっと寝返りを打…

今日も働く君の背中に秋の風

めっきり秋らしい気候になって、夏の間ほとんど開けっ放しだった窓も一日中閉めておくようになった。 私が窓の横の机に向かっていると、猫がやってきてぐんと背中を伸ばして前足を桟にのせ、背伸びする子供みたいな格好で腰高窓を覗きこむ。 「行くの?今日…

「だって寒いんだもん」と君は言う

天気予報で「急に寒くなる」と言っているなと思っていたら、律儀なもので本当に急に寒くなった。 部屋をうろうろしている猫が、私が座ったと見るや、すぐさま膝に乗ってくる。 おお、そうかそうか。寒いのか 彼女はむくむくした冬毛が生え揃い、今や最高のな…

たとえば、猫の耳

猫の耳をのぞきこむと、ちょっと不安になる。 彼らの耳の奥は、なにかしら人間の理屈では把握できない謎の形をしている。 「これって、つまりどうなってるんだろうか?」 と思ってじっと見ていると、ちょっと怖いような不安な気持ちになってくるので急に気ま…

ポテトチップスおよび梅

知り合いから家庭菜園のじゃがいもをもらった。 美味しいのはありがたいが、家庭菜園から直できた芋のやっかいさは十分乾燥されていないところにある。 油断してそのまま貯蔵していくと、いつの間にか土に還っていたりするから、干し網を出してきてベランダ…

秋の猫を撫でる

スマホに「天気痛予報アプリ」を入れているので 気圧が乱れる直前になると「天気痛に注意です」という通知が来たりする。 なんとなくやる気がでないタイミングと天気痛警報のタイミングが一致すると 「はいはい、私のせいじゃないもんねーっ」 という開き直…

いたずら好きの猫の鼻先を舐める仕返し

腰高窓の横にあるデスクに向かって仕事をしていると、近頃涼しくなってすっかり調子のいい猫が突然、 「んにゃっ」 と言いながら窓越しに私のすぐ脇に飛び込んでくる。 隣の部屋の掃き出し窓から出てベランダでひとり遊んでいたものを、私を驚かすためにわざ…

ちゅーるによる愛のカツアゲ事件の顛末

どこの家にも多かれ少なかれある傾向だとは思うが、暑い季節の猫というのは比較的素っ気ない。 寒い時期は座りさえすればすぐにすり寄ってきて膝に乗ってきてくれる猫でさえ、暑いとひとりで勝手に涼しい場所を探しにいって余計な発熱を避けるべく昼寝ばかり…

豆苗プランター栽培の行方

南北の窓を開放すると風がよく抜ける造りになっている我が家のいたるところを 猫がせっせとウロついていている。 小走りでキャットタワーからリビングへ、クローゼットへ、廊下へ、書庫へ、とせわしなく移動する後ろ姿を目で追えば、小刻みに揺れるお尻のあ…

ヘップバーンである夜もある

真夜中、ずっとパソコンをつけていた部屋は熱がこもって暑いので、虫が入らないように室内の電気は消し、窓を開け放って寝る前の換気をする。 ベランダのすぐ下は小さな小さな公園があり、誰もいない滑り台の脇にオレンジ色の街灯がひとつ静かについてほの明…

深夜二時、レモンゼリーと骨壷袋

深夜2時にかんてんぱぱで作ったレモンゼリーを食べていた。 まず、なぜ深夜2時にかんてんぱぱで作ったレモンゼリーを食べていたのかという話をしようと思う。 お腹が空いたのだ。 お腹が空いたが、大人としてはこんな夜更けになにか食べるというのはいかが…

ベランダをめぐる冒険 ~地球に乗って自転する猫やら飼い主

窓をカラカラと開け放しておく陽気になった。 猫のためにこたつをつけておく陽気と、その電源を切って窓を開け放つまでの間の期間は、一日しかないのだ。 こんなにも季節はめまぐるしかったか。 外から流れこんでくる異質な匂いのする空気に向かって、猫は身…

何をやっても爪を切らせてくれない猫に贈るスワダ爪切りクラシックL

爪切りって本当にすごい商品だなと思うのです。 百円ショプで買えて、永久かってほど長持ちするうえに パチーンパチーンと音も高らかに切っていたらちょっとしたお祓いの代わりくらいになりそうな爽快感もあります。 貝印って偉大なメーカーでありますね。 …

むっと聞きたいだけなのに

うちの猫はそーっと後ろから指でつつくと「むっ」という。 飼ってない人にとっては「猫はにゃあと鳴くもんだ」という思い込みもあるだあろうが、やつらはけっこう「むっ」という。中でもうちの子はよく「むっ」という。垂直ジャンプをする時も、猫じゃらしに…

『幽霊列車レストラン』 ~猫が最後に乗る列車

世界中のあらゆる猫は、最後の瞬間に列車に乗るのだということを、昨年自分の猫を亡くしたときにほぼ確信しまった。 いい年してファンシーなことを言って人を煙に巻こうとしている、というわけでもない。あの特別なひと区切りの時間。「こちら」から「あちら…

『ネコメンタリー 猫も、杓子も』~寿命の短い生き物を愛する欲望

NHKの「猫も、杓子も」というドキュメンタリー作品を、放送されるとついつい見てしまう。 愛猫家の作家と猫の日常を撮影するだけの、毎回ごく平和なフィルムなのだけど、画面の中に猫と本棚という、私の好きなものふたつが実によく映るという意味で、全編実…

啓蟄の心配事 ~何も生えてないように見えるがそこはネギ畑

啓蟄である。 七十二候では「蟄虫啓戸」、すごもりのむしとをひらく、だ。 読めるかそんなもの。今年は季語の日めくりカレンダーを使っているので読めもしない季節感にやたら詳しくなった。 飼っている人なら誰でも知っている通り、猫にも啓蟄がある。 何ヶ…

ネギを植える ~猫と中年ささやかな春

思いがけず暖かな日差しが降り注いだ二月のベランダで、ネギを植えた。 おおかた味噌汁の具として使命を終えた小ネギの白い根元をキッチンばさみで切り、新しい土を盛ったプランターに一本ずつ差していく。 いくら日中の気温が上がってきたとはいえ、まだ氷…