晴天の霹靂

上品な歩き方とかを習得できないまま人生を折り返すとは

凍て星の下に寝る猫黒光り

今シーズン一番の大雪なのだそうで、たしかにたくさん降ったのだ。 それにしても、昨シーズン本当に往来のあちこちで雪に埋まった車が進退窮まって止まっている風景を目にした記憶が強烈なので 「そうは言ってもまだ普通の大雪だな」 という気がしている。 …

猫のひげ平和の宿る松の内

お店で何を手にとってもどうも前より高くなってる気がしている昨今、 初売り後からまたなんだか一段階価格の水準が上がったように思える。 こちらが油断してるスキに上っているとは薄情、と売り場を見まわせば、一角にたくさん並んだ数の子に豪勢に半額シー…

猫、冬の食欲

寒くなると猫の食事量が目に見えて増えるのは毎年のことだ。 日がな一日こたつに引きこもって寝ているのだから、夏以上のカロリーが必要になる道理もないと思うのだが、猫には猫の都合がある。 そもそも、猫が折に触れて餌をねだるのはレクリエーションの一…

震える子犬、丸まる家猫

冬の入口で、まだ行く人達も雪に慣れきっていない横断歩道。 信号待ちをしていたら目の前におもちゃのように小さな犬がいる。 「犬って猫より小さいよなあ」 と感心して見てる間に、猛烈な勢いで子犬が震え出した。 ……えっ?あれ?なんかこの子めちゃめちゃ…

猫と炬燵と冬の悩み

冬には冬の悩みがある。 猫がいつまでも炬燵から出てこないので、下のラグが掃除できないのだ。 言葉にすればつまらぬ悩みのように響くが、まあ聞いてほしい。 この季節の炬燵は、猫が日がな一日居るところであり、人間が食事をするところでもある。 要する…

初雪の夜、大捕物

雪が降り、猫が何時間も炬燵にこもる季節が来た。 炬燵は八時間でいったん切れるようにタイマー設定されている。 猫にしてみれば不本意なことだとは思うが 「タイマー切れたんで炬燵入れてください」 と八時間おきに頼みに出てくるような仕掛けをしておかな…

猫の穴惑い

冬の入口に、冬眠のための巣穴を見つけられずにウロウロしている蛇のことを「穴惑い」というそうだ。 新日本カレンダー 2023年 カレンダー 日めくり 俳句の NK8813 新日本カレンダー Amazon 家猫も、この季節は頻繁に穴惑いする様子が観察できる。 南向きの…

まずそうな餌をうまそうに食って幸せな猫になれ

うちの猫はいつの頃からちょっと吐き戻しが増えた。 食べた直後に、ほとんど未消化、なんならほぼ原型の餌をケロっと吐いて 「今の吐いたんでもう一回ください」 くらいのことを言いに来るぐらいのガッツである。 それらを考えるに内蔵の病気などではなくて…

猫と糸トンボ

猫死んでしづかにしづかに猫じやらし 加藤秋邨 新日本カレンダー 2023年 カレンダー 日めくり 俳句の NK8813 新日本カレンダー Amazon 日めくりをめくったらいきなり「猫死んで」などと書いてあるので、朝からなんだかびっくりした。 飼い主は猫より長生きす…

秋のやわらか充電池

昼前のひだまりの中で猫が立ち寝をしている。 正確に窓の形を切り取って伸びてきた秋の太陽の中に、黒猫はちんまりと座って、そのままゆっくり目が細くなっていく。 「子猫がよくする眠り方だけど、うちの子の立ち寝は久しぶりに見るな」 とオムレツ食べてる…

「にゃーん……うん」の秘密

うちの猫は、猫としてはわりとよく喋る方である。 何が伝えたいことがあって話しかけてくるというよりは、放っておいて私が怠け者になることを危惧しているようで、やれ「窓を開けろ」「餌を入れろ」「膝を差し出せ」「こっちへついて来い」「枕をよこせ」と…

秋晴れの下の猫

日差しの下に居る猫は抱きまくら。 我が家に猫が二匹居たときは、私が布団に入るやいなや二匹ともイソイソと寄ってきて脚の上に縦列駐車になっていたので、横向きに寝るなどという贅沢は許されなかったものだ。 切なくも家族が一匹減り、残された黒猫の方は…

悪い遊び

猫は常からトトトトと走ってくるなり、いきなり腰が抜けたようにバタっと横倒しになる。 業界用語で言うところの「へそ天」である。 「さあ、撫でろ。さあ!さあ!」 と、猫からすれば当然のことを言っているわけであるが、あんまり唐突なので人間はいつもび…

夏と戦うあれやこれ

暑いのです。 40度近い地域も数ある日本列島のなかで、ちょっと30度超えたくらいのことで暑い暑い言い始めるのも気がひけるのではあるけれど、我慢するのも暑苦しいことなので、ここはやはり言わせて欲しい。 何度であろうが暑いものは暑い。 比較的風の通り…

思い起こせばいつも眠い

今年も気温が上がるのが早かったので「また猛暑か、これは大変」などと思って冷凍用に経口補水液のゼリードリンクを買っておりました。 ちょっと高いのだけれど、去年の夏など思い起こすに、事と次第によっては命にかかわらんでもないから、ということで冷凍…

猫と手遊びあるある

日も長いことだし、涼しい時間帯のうちにたっぷり遊んでおきたい猫がやけに絡んでくる。 「よしよし」とおざなりに手を伸ばすと、キックするやら抱きかかえるやらの大歓迎ぶり。 おおなんだお前、かわいいぞ。そんなに私のことが好きか。 興が乗ってくると親…

季節の代わり目の罠

冬の間しまいこんでいた扇風機を出してきて、蒸し暑く感じる日に短時間つけたりつけなかったりするくらいの季節である。 「ちょっとだけつけておくか」 なんて言って、部屋の隅、壁コンセントのあたりに扇風機を置いたまま電源を入れる。 真後ろから風があた…

少し気温が下がった朝には

なにしろ、記念すべき朝ではあった。 なんとなく気配を感じて目をさますと、布団の中、脚の触れるあたりにすべすべして温かで柔らかな物質がくったり身を委ねている。 「なぜ猫が」 猫はいつも私と一緒に寝るが、決して布団の中には入ってこない。 必ず腹の…

青空サラダバー開店

種をまいてもしばらくウンともスンとも言わなかったものを、ためしに外の日差しに当てたらいきなりにょきにょき伸びだした様子が可愛く、 「門脇麦ちゃん」と名付けてちんまり愛でていたところ、藪から棒に登場した黒い悪魔に猛然と食べられる。 もちろん、…

朝顔を植える

家中を開け放しておいても寒くない季節が来て、猫は楽しそうだ。 ベランダに出て黒い毛に太陽熱を充電することもできるし、日差しに疲れたら部屋に入ってきてブランケットを敷いたふかふかベンチの上で放電してもいい。 あるいはキャットタワーの一番上に昇…

嫌がる猫の爪を切るには ~まずは賢くなるべし

うちの猫は爪を切らせない。 それでも子猫の頃は嫌がるところをなだめたり透かしたりしてなんとかなってはいたのだが、お互い色々人生経験を詰んでいくなかで、彼女は私に爪を切らせない決意をしたらしい。 そりゃ私だって猫に舐められても仕方ないことを数…

猫また猫。猫また猫猫、猫の缶

猫缶、というとたいていは猫餌の入った缶詰だが、我が家の猫缶は猫柄の缶だ。 猫缶 全面に猫また猫が浮き出していて最高にかわいい。 隅々まで見ても何の缶なのか全然わからないところが洒落ている所以だが、これはベルギーあたりのクッキーが入っていた。 …

今年の花見の予定

半身をベランダに乗り出して後ろ足は部屋の中に残したまま、猫がじっと迷っている。 なにしろ何ヶ月もこたつの中で暮らしていたので、寒さというものに慣れていないのだ。 「肌寒いも気持ち良さのうちなのだから思い切って行って来たらいいのに」 と部屋にい…

今宵、月が出ていい気持ち

何ヶ月も延々とこたつの中で寝てばかりいたくせに、 日が長くなってくると 「なにか遊び足りないような気がする」 と、急に思うものだとか。 いつものように寝る前に布団の中で本を読もうとすると 天井あたりからじっと見られている気配がする。 「きっと気…

スーパー猫の日、吹雪の夜

2022年の2月22日が「スーパー猫の日」なのだそうで、ああそうそう、もちろん誰かがそんなこと言い出すと思っておりましたとも。 私が言うのもなんだが、みんなちょっと猫が好きすぎなのではないか。 なにかと言えばすぐに猫に癒やしを求めてばかりい…

猫に仲直り

ベランダに面した窓の外枠のところに、肉球スタンプが2つある。 朝、いつもどおり「パトロールにいくから窓を開けてごらん」と言いにきた猫が、いそいそと半身を乗り出し、一瞬固まった後バックして部屋に戻った状況証拠である。 深く屋根がついているので、…

猫と見る朝の雪

「しっかりめに雪が降りますんで」 という予報が出ていた日の朝、窓の外を見ると本当にしっかりめに降っている。 今日は寒いからさすがに猫もベランダのパトロールはしないだろうと思っていたら、「行くから開けろ」と譲らない。 寒いよ、と念を押して明けて…

顔の近くで眠る猫は

顔のそばで寝る猫は、飼い主のことをとても信頼している、なんてことが言われるらしい。 それはそうだろう。 こっちだって信頼しているからこそ、全然爪を切らせてくれない小型肉食動物と鼻息を掛け合う距離で寝ているのだから。 寒い季節なので、我が家の猫…

夏の朝顔 冬の猫

11月も終わりともなれば、部屋に差し込む日は低いのですべての日向が細長い。 その細長いところに、猫が細長く寝ている。 型に水ようかんを流し入れたように、日向に対して四隅まで過不足なくきっちりぴったり黒猫が詰まっている。 器用なものだな、と目を…

「ネコさんネズミさん」しようよ!

我が家のごきげんな猫がしつこい時というのは、だいたいひとつことを言ってきている。 「『ネコさんネズミさん』しようよー」 である。 猫と『ネコさんネズミさん』をするんだから、私が「ネズミさん」になりそうなものだが、どういうわけか大変倒錯的なこと…