晴天の霹靂

びっくりしました

秋晴れの下の猫

日差しの下に居る猫は抱きまくら。

我が家に猫が二匹居たときは、私が布団に入るやいなや二匹ともイソイソと寄ってきて脚の上に縦列駐車になっていたので、横向きに寝るなどという贅沢は許されなかったものだ。

切なくも家族が一匹減り、残された黒猫の方は新たなる寝床を私の頭の横と定めたために、私は猫型抱きまくらを抱えて、本物の猫の尻のあたりに顔を突っ込むようにして寝るようになった。

うちの猫は自分のペースで膝にのってくるのは好きなくせに、私の気分でだっこさせてくれることは決して無い。

だから、実の飼い猫の匂いをかぎながら猫まくらを抱えるのである。

「お前、これじゃ猫を飼ってる甲斐がないよ」

とは、思うような、思わないような。

 

冬までにこれほどの日差しがあと何回、と思うと近頃は隙あらばいろんなものを日差しの下に並べてしまう。

布団も、枕も、抱きまくらも、クッションも。

ふかふかするものを全部取られた黒猫は、一体どこで昼寝をしたら良いのかと不満げにしばらく騒ぐが、日差しの匂いをたっぷり吸った布類を、私より好むのはもちろん猫のほうである。

 

猫枕と並んでお前も日向ぼっこしたらいいじゃないか、と誘っても、彼女は猫のぬいぐるみはあまり好まない。

一番好きなのは新聞、それから厚い本。そして私の使っている枕を奪い取ってさっさと尻を向けること。