晴天の霹靂

びっくりしました

『蛇の道』古い方 ~全体的に空っぽでかっこいい

 

 

蛇の道』がフランス資本でセルフリメイクされたんだそうですが、なんとなくグズグズして観に行っていない今日このごろ。

かわりと言ってはナンですが、オリジナルのほうが各種サブスクで観やすい状態になっているのをこれ幸い、今更1998年版を初めて観ましたよ。

たいへん面白いし、斬新でびっくりしたもんです。

なんにもない、ただの廃工場みたいな空っぽの画面の中で、哀川翔が奥から手前に向かってあるいて、同時に香川照之が右から左に横切る、とか。

「うわっ、すごい3Dだ。かっこいい!!」

と謎の興奮をおぼえ、最近こんなに画面がスカスカな映画、全然観てないんだなあと思ったものです。わりと、被写体とカメラの間に空間があれば、スモークたいたり、雨が降ったり、モブが重要な演技していたり、何か爆発してたり、情報を埋めていく方向でリッチな画面を見慣れすぎてきたせいか、たまにこういう”ひと目で全部見える”みたいなすっきり感を味わうと異様にかっこいいですね。

 

極端にすっきりした画面の中を横切っていく人物もまた、内面があるんだか無いんだかよくわからなくて、ただしスタート地点からゴール地点まで移動しようとする熱量だけ伝わってくるシンプルなキャラクターなのも非常にがらんどう感にマッチしてシビれます。

うっかり「哀川翔ってかっこいいんじゃないかな」なんて気になり、あまつさえ「あれ、いまASKAに雰囲気似てたな」なんて思ったりして、長い時の経過を思いますね。

 

 

今となってはこの二人、カブトムシのブリーダーとカマキリ先生なんだよな、と思いながら観ると感慨深い。


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新しい方。たぶん観に行けば面白いんだろう、と思いながらも割引のきく映画館で掛かってないのを言い訳にグズグズしているところです。


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