晴天の霹靂

びっくりしました

『死霊館のシスター 呪いの秘密』~美味しい素材だけで作った料理は美味しいか

 

死霊館のシスター 呪いの秘密』を観てきたよ。

死霊館ユニバースも大きくなりすぎなので、もはやどれを観てどれをみていないのか。どれとどれがどう繋がってるのか、まったくわかりませんが、気にせず行くスタイル。


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頑張って作った料理が「美味しいものしか入れてないのに、なぜ仕上がりがこんな味に?」ってなる時がありますが、そんな感じでした。素材のひとつひとつが美味しかったことは、よくわかる。

絵面も美しくて、キャラクターも良く、ロケもいいし、衣装もいいし、シリーズへの愛もあって、サービス精神もよくて、終始好感を持ちながら観ましたが驚くべきことに、全体としては退屈なのです。

 

話が最初から三箇所に分かれていて、相互の関係がよくわからないままつきあわされるのがわりと大きな原因のように感じられますが、話を分散してしまった意図が最後まで分からなかったのは意外なことでした。

話と話の接続がギクシャクするとジャンプスケアを入れて話をもたせようとしては来るし、撮影はうまいのでびっくりさせられると本当にびっくりするんですが、ゴール地点がわからないまま何度も驚かされるとただ疲れていくばかり。

 

「全然嫌な感じを持つ映画ではないのに、なぜこうなった、何が悪かったんだ」と考え考え帰宅した結果、ひとつ思いついたのは、もしかしたら4DX上映向けに力を入れた映画だったのかもしれません。

思い起こせば、水しぶきが飛ぶ、大きな物が地響きとともに迫ってくる、風が拭くと情景が次々変わる、など4DX上映なら効果的に使えるシーンがたくさんありました。

それらのシーンをまず考えて、あとから繋いで一つのストーリーに仕立てたのだとすると、もしかしたらこういう出来になるかもしれない。

そうだとすると、たぶんジャンル映画としては大きな試みなんでありましょうが、やっぱり4DX以外の環境で見る人の方が圧倒的に多いことを考えると、なかなか難しいところではある気はします。まずは話として面白くてナンボじゃないのか。

全然、嫌いではないんだけど。