晴天の霹靂

びっくりしました

『怪物』~そんなつもりじゃなかったのに目から水

遅ればせながら『怪物』見てきました。


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是枝作品を観ると、ううむよくできた映画ですねえ、と思う一方で腹の中でつい「真面目かっ」とも感じてわりと困るのですが、やっぱり気になって見に行ちゃうもんですね。

 

本当に、主演の二人が素晴らしくて、この子たちがこの映画の人格以外の生活を映画の外で送ってきたし今後も送っていくんだということがおよそ信じられないレベルの奇跡でした。

後半になるともはや二人が画面に写ってるだけで涙腺が。

どんなにひどい目にあっても基本的には生きていることが嬉しくて仕方ない年頃の輝きを見ているだけで涙腺の決壊が中年(錯乱)

 

そしてこれはもしかしたら私が鑑賞前にグズグズしていて事前情報を色々入れてしまったことが理由なのかもしれないのですが、子役二人が素晴らしすぎたことでそれ以外の企みの余分さがどうしても目についてしまいました。

「怪物は誰」とか「放火犯は誰」とか「校長先生の事故の真相は」とか、気が散るんで余計なストーリーテリング入れないで頂いてよろしいでしょうか、と思っておりました。

 

たぶん制作してる人も、子供たちが素晴らしさは、これはちょっとやばいレベルになってるぞ、という実感はあるんだろうと思うのですが、どうしてそれをいったん分解してピースごとにいろんなところに埋め込むようなことをしたのだろうか。

こっちの方がいいという判断でこうなってるんだとは思うのだけど、観たあとの私としては「こうじゃないやつを観たかった」という思いを払いきれなかったのでありました。

 

あと、ヨリ君の服装が、明らかにネグレクトされている子のちぐはぐさなんだけどその中で精一杯子供の努力でアイディンティティに沿うた着こなしなってる具合が素晴らしく印象的なんです。

エンドロール見てたら衣装は黒沢和子さんの仕事だってので「ですよねえっ」ってなりました。

近年、衣装が目に止まったときの黒沢和子さん率が高い。