先月の末くらいから「寝る前に清野とおるを読む」という癖がついてしまい、すっかりやめられない。
『東京怪奇酒』『東京北区赤羽』と読んできて、今『おこだわり』にさしかかったところである。
読んでいてこちらもその気になってきたので、「おこだわり」っぽい話をここらで無理にしておきたい。
誰も特に興味がないと思うが私は大変にチーズが好きなので、「なんかこう、スナックっぽいものを一口つまみたいな」という時用にスライスチーズを冷凍庫に常備してある。
いつかの昼下がりなどにおもむろにそれを冷凍庫から出しオーブンシートに並べてレンジで加熱、カリカリチーズせんべいにして食べるためだ。
私は酒を飲まないので、これで緑茶を飲む。
水分を飛ばしたスライスチーズは油分も塩分も多めなため、たいそう緑茶が捗る。
一方で「そうは言っても酒飲みならぬ身にこれはちょっと味が強すぎるよな」という気がしていたのも事実である。
これはなにかもうひと工夫の余地があるのではないか、とぼんやり思っていたところ、清野とおるを読んでいるうちに何かおかしな宇宙的回路と味覚が接続し、突然正解が出たのである。
海苔だった。
まず海苔を四枚切りにし、スライスチーズを一枚ずつ載せてからのチンである。
チンはチーズ1枚あたり30秒だと少なすぎ1分だと多すぎるから、その値の中のどこかだ。
チーズの塩分油分が海苔によって減少するわけではないが、舌にふれるときに海苔の香りがまずワンバウンドすることで格段に優しさに包まれ一段階進化を遂げる。
ちなみにこれのお供となる「がぶ飲み緑茶」にもやり方がある。
象印マホービンの360mとそこらで売ってるティーバックのお茶である。
一人暮らしにも手軽で美味いでおなじみの緑茶ティーバッグであるが、うっかりマグカップなどでドボドボ淹れてしまうとやっぱり香りが薄かったりする。
家で飲むときでも360m魔法瓶でいれると、ティーバックたった一個で3杯くらい濃厚な緑茶が飲め、おまけに半日くらいかけてゆっくり飲んでも冷めない。
マホービンから直飲みするとほとんど香りもわからないうえに舌をやけどして危険なので、カップなどに1杯分ずつ注ぎながら飲むのが正しい作法である。
象印マホービンでなければならぬ理由は、今のところこれが最もパーツの分解洗浄が単純でお茶の匂いが移りにくいせいである。緑茶の匂いは一度うつってしまうと結構取りにくい。その点、現時点は象印が私が把握している中で最高峰の緑茶ガブガブ器なのだ。
『東京都北区赤羽』はKindle Unlimitedで全8巻読めてしまうので出来心で読み始めると危険。
今週のお題「名作」