晴天の霹靂

上品な歩き方とかを習得できないまま人生を折り返すとは

『ツイスターズ』 ~おもしろい!

『ツイスターズ』を観てきましたよ。

「はいはい、ディザスター映画ね」くらいのテンションで行ってきたらすごい楽しかった。


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まず”悪天候オタク”の女子大生(?)が出てきてのびのびと個性のままに変なことやるところからはじまるので「何この子、超おもしろーい」と引き込まれます。そしたら極めて手際よく、一生引きこもっても不思議はないくらいの大惨事勃発。

「もう立ち直れないくらいのトラウマだ」っていうのは十分に伝わってくるんだけど、あんまりにも手際よく展開するので、観てる側の心理としてはワクワク感がほとんど損なわれないままでその悲惨さに立ち合えるという、バランス感覚の見事さですよ。なんなら「君を守るよ、守るよ。守るよ。わーーーっ」っていうあたりが、実は面白くさえあるんだけど、悪趣味な感じはしない裁き具合には本当に感心したもんです。

 

「なるほど、これはディザスター映画ではなくて、モンスター映画ですね」と思って観ていたら本当にヒロインがタンクトップ姿になったんで「ほら、やっぱりモンスター映画だっ!」とガッツポーズしましたが、そういうところも実に良かった。

これはもはや『エイリアン』のリプリーなのではないか

昨今モンスター映画の方ではモンスターが巨大化しすぎて人間とのドラマが起こりにくいという状況が生まれがちでありますが、その点モンスターとしての竜巻が優秀なのは、”悪天候オタク”たる個人とのドラマも起こるし、”町ひとつぶん”という群衆とのドラマも起こるので「でかいよー、怖いよー」という以外に、実に多くのことが描かれうることです。

 

車も家も飛ぶような巨大竜巻がしばしば来るような平原にも町があり、そういう場所で被災してしまう人たちは先住民系の人が多いことも、セリフに入らずとも画面にはしっかり映っています。

その被災した地域にまっさきに乗り込んでくるのはチャンスを待っていた融資会社であることもナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』そのままに描かれていて骨太なストーリーなのでした。

 

また専門家として招かれてきている主人公に対して”説教したがる男たち”が次々と寄ってきては気持ちよくマンスプレイニングをしていくストレスも、「わかる」としか言いようがなく、どんどん共感もましていくのです。行ったれケイト。

 

あと「観たことない種類のバカがいっぱい出てきた!」と思ったら結構馬鹿じゃないところもすごくいいんですよね。犬を大切にしてくれるし。

なにもyoutuberだからってそこまで軽薄な顔しなくても。