1月
『すずめの戸締まり』
綺麗なアニメーションだったのですが「うーむ、私はやっぱり新海誠あんまりだな」と思った一本。ラッセンっぽいところがどうも馴染めない。
『イニシェリン島の精霊』
老人が絶交する映画。ロバの演技力が最高。風景も衣装も最高。意味がわからなくてもこういうの好き。
2月
『アラビアンナイト 三千年の願い』
おとぎ話だけど紛れもなくジョージ・ミラーだっ!というところが楽しかった。「どこに行くんだろうこれ?」と思ってぼんやりしてたらちゃんとおうちに帰るのです。
3月
『ベネデッタ』
一生懸命やってるうちにどこからどこまでが真実でどこからが自分の思い込みかわからなくなっちゃう人のマジモンの魅力が炸裂。ベネデッタちゃん超かわいい。
『シン・仮面ライダー』
NHKでやってたメイキングのドキュメンタリーの方が面白かった。観た人と散々色々言って楽しませてもらったのでなんの恨みもないですよ。
4月
なんと観ていない。たぶんまだ寒くて自転車乗れなかったせいかと。
5月
『食人族4Kリマスター無修正完全版』
もはやこちらの感想を阻む映画というものがこの世にはあるのだぞ、と。
『TAR/ター』
映画が一番分からなくなった瞬間にバサッと終わったので「おいっ!」と思ったもんですが、大好きケイト・ブランシェット様が素晴らしかったので楽しかった。
『フリークスアウト』
低予算B級映画だろうと思って行ったらいい映画だったオブザイヤー。見世物小屋映画は観ちゃうのです。
『クリード』
クリードってあんまり知らない人だし今ひとつ共感どころがないなあ、と思って観ていたら映画終わったあとに全く意味の分からない短編アニメが入っていたのが非常に印象深かったです。ああいう戸惑いは結構好き。本当になんだったんだろう。
6月
『ミーガン』
誰に薦めてもほぼ文句なく面白い映画オブザイヤー。と思っていたら2023年のみうらじゅん賞を受賞されておりました。納得。
『カードカウンター』
屈折した中年っていいよねえ。隅々まで渋い素晴らしい映画でした。
『ザ・フラッシュ』
もういい加減漫画映画は卒業させてくれい、と思いつつたまにこういう名品が出てくるので困る。でもやっぱり目がチカチカするCGとかは辛かったな。
『ビデオドローム4K』
2023年はクローネンバーグに目覚めた年ともなりました(言うほどみたわけではないけども)。「おやおやこれはなんだろう」という好奇心で映画が勝手に先に進んでいく感じがなんとなく気持ちがいい。
7月
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
90分にまとめたら結構面白かったと思うタイプの作品
『怪物』
是枝作品はいつも感想に困るのだけど、とにかく子役は本当にすごかった。ろくでもないLGBTQ理解増進法案が通過してしまったころに掛かっていたものなので、クイアに関する映画ですっていうことをもっと配給会社が言ってくれればいいのになあ、と思っておりました。
『Pearl/パール』
いっぱい殺しちゃったでしょうオブザイヤー。本当にしようがないよね、変なタイミングで亭主帰ってきちゃうし。めっちゃ面白かったです。あんまり家が暑かったので自転車乗ってレイトショーで観に行った。
「うーん、途中ちょっとダレてない?」とか思ってたんだけど、しかし思い起こせばやっぱり面白かったな。マルコビッチの穴みたいなもんで、入り込むと自分も宮崎駿だし、まわりの人も全部宮崎駿、という世界。覗いて損はしない。
『ヴァチカンのエクソシスト』
腕力で物事を解決していく悪魔祓い師、というところが大変斬新で愉快でした。聖水で脇を拭くのはやめなさい。
8月
『ミッション・インポッシブル7』
色々かっこよく撮れてるから切り難いのはわかるけど、90分におさめてくれた方が絶対おもしろくなるよ、トム。
『バービー』
「マンスプレイニング」とか「トキシックマスキュリニティ」あたりの単語をいよいよポップカルチャーで使っても不自然じゃないくらいまでこなれたものにしたエポックメイキングな一本でした。何十年待ってもシステムは一向に進化しないが、それでも内面化された差別を表現するための言葉を獲得するというのは社会に取って大きな事。
『クライムズ・オブ・ザ・フィーチャー』
「ひょっとして年をとるのって面白いんじゃないかな?」という疑惑を抱かせてくれるクローネンバーグ御大80歳。素晴らしい
『マイ・エレメント』
うっかり時間があったのでうっかり観たアニメだったのだけど、なんか不思議なくらいピンと来なかった。
9月
『福田村事件』
色々いびつで面白かったです。放心状態の女性が片手で振り上げた斧で、背の高い男性の頭蓋骨って割れるのかな?とかね。そのサイズの急須から永遠にお茶が出てくるのはなぜだ、とかね。テーマの深刻さと、ひっかかる細部のアンバランスが、なかなか味わい深い。
『ジョン・ウィック コンセクエンス』
みんな大好きキアヌ・リーブス。そしてみんな大好きドニー・イエンの座頭市。これだけ見せてもらったら文句言う人はあまり居ないのでは。
『裸のランチ』
出てくるものがいちいち全部おもしろいんですが、「良い文章を書くと角から麻薬を出してくれるタイプライター」がいいですね。もう、世界にそれだけあればいいじゃん。
10月
『コカイン・ベア』
どうせひとネタの出オチでしょ、と思って観に行ったら意外にも最後までずっとちゃんと面白い映画。アーバンベア出まくりの北海道で見るとまたしみじみと味わいがありました。
絵も可愛くないし、全然みたくならないねえ、と思いつつ物の弾みで観たら素晴らしいアニメーションでした。アニメ業界はこんなにすごい速さで技術進歩して大丈夫なんだろうか、と余計な心配。
『沈黙の艦隊』
大沢たかおがずっと同じ画角で同じ顔をしていて面白かった
『資料館のシスター2』
映像もいいし、面白いところもいろいろあったのでもう少し何かをどうにかすればきっと面白いんだけど、惜しいなあ、と思って観てました。
『イコライザー THE FINAL』
世界ふれあい街歩きみたいな美しい映像にうっとりして油断してるとデンゼル・ワシントンが急に独創的な殺人鬼になるやつですね。文句ないです。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
三時間半の映画はさすがにないだろ、と思いつつ観に行ったら全く長く感じなかったのがびっくり。全部素晴らしい。
11月
『SISU/シス』
無骨な方のイコライザー。名前の知ってる役者は一人も出ていないのに、役者陣の脇の脇に至るまでの素晴らしさ(犬含む)には驚いた。恐るべしフィンランド。
『ゴジラ-1.0』
みなさん楽しく観てらっしゃるようなので最近はあんまり悪く言わないように気をつけてます。犬かきで追ってくるゴジラさんは可愛かった。
『ロスト・フライト』
いつものジェラルド・バトラー映画の中でもだいぶ面白い方のジェラバトです。話の整理整頓が行き届いていて気持ちがいい。
12月
『ナポレオン』
完璧に美しい絵面の中でダメ男のナポレオンのダサさを執拗に見せるリドスコの意地悪さが光る作品でありました。
『カムイのうた』
地方創生映画の規模感から予想したものよりだいぶ面白かった。知里幸恵の素晴らしい文章に映像を乗せる、という方向に振り切った点で大いに成功したと思われる。
『首』
ぜんぜん観たくならない、と思いつつ『ヤジと民主主義』が満席だった都合上たまたま観てしまった作品だけど、予想していたよりだいぶ楽しめてしまった。そういえば北野武ってずいぶん照れ屋の人でしたけど、未だに照れているのね。