晴天の霹靂

びっくりしました

読書にまつわるエトセトラ ~歯磨きタイムやら寝起きタイムやらに何を読む

図書館に予約していた本を取りに行き、「ついでだから他にも何か借りていこうか」とフラフラしていて、なんとなく借りてきた本。

本を読むことに関するエッセイって、見かけると読みたくなってしまうのは、読書というのがあまりにも個人的な趣味なので、他の人がどうやって読んでるのかということを知る機会が少ないからであろう。

その上、なんとなく「読書」という行為には謎のハクがついていて、「昨日ツイッター見てたら三時間も経ってた」とか言うとちょっと馬鹿っぽいけど「昨日読書してたら三時間も経ってた」とかいうとちょっと賢そう、というようなイメージの貴賤が暗黙のうちにある点も賢く思われたい人の心を刺激する。

だいたい本を開いているからと言って本当に読んでるのかどうか外から見てもよくわからないところもまた、行為として謎めいていて、探り甲斐を感じる。

 

ということで本を好きな人ってどんな感じで読んでいるのかに関するエッセイ集『恥ずかしい読書』である。

曰く、歯磨きしながらでもよむ、書き込みながら読んで見る、灯りにこだわる。

などなど読書まわりの話をしていく中に、いちいち執筆当時に読んでいる具体的な書名が書き込まれているところが、人の本棚を覗いているような楽しさを感じる。

脈絡もなく、ただその時その人が何を読んでいるのかというのは、つい覗いてみたくなるものだ。

 

エッセイ自体はごく軽いもので、一番おもしろかったのは冒頭の「歯磨きしながら難しい本読むの、結構いいよ」という話。

歯磨きしながら読むのは面白すぎて止まらなくなるような本は不向きなので、一度は読んでみたいが難しそうな哲学書とかが良いそうだ。

一日3回20分くらいずつ難しいことを考えるのは気分転換としてちょうどいい。

コツは、歯磨き粉をつけすぎないで口を閉じてブラシを使うこと、というのが面白い。

 

非常に興味深い知見ではあるのだけど、私はウォーターピックを使うのでこの歯磨き読書はちょっと無理だ。

でも、最近ちょっと似た習慣がある。

朝起きてすぐ、まだ朦朧としながらコーヒーを飲んでいるときにかなり簡単な英語の本を読むようにしている。

ごめん見栄張った。グラフィックノベルである。

今読んでるのはDUNEだ。

 

何がいいって、どうかするとコーヒー飲みながら二度寝をしそうなくらいぼんやりしているから、「いったん日本語に訳そうとする」などという段階を踏まずに眺めたまま情報が頭に入る(というか、そもそもあまり頭に入っていないんだけど)

絵がついているから、日本語経由しないでイメージとして取り込めるような気がして、しっかり目が覚めてしまってから読むより、なんとなくダイレクトに面白い。

あと、朝イチでやることってとにかく習慣化が簡単なのもいい。

次にやることも決まってるからそんなにダラダラといつまでも読むこともないし、反対に色々気が散るほど活発な時間でもないから、つまらないと思っても決めた時間くらいは読み続けるのも苦にならない。

 

 

ようするに、「本を読むことって単に癖のものだよなあ」と、人の読書方法を覗き見つつ自分の読書習慣も振り返ってみたりして、図書館で見つけてパラパラ読むにはなかなかおもしろい一冊だった。

 

 

 

ちなみに予約していたのはこれ。

ポール・バーホーベン監督の映画『ベネデッタ』の原作。

Kindle版は出ていないし、Amazonでは50万円の値段がついてしまっているので、読む手段ないかしら、と図書館予約システムで検索したら普通にあって、めでたしめでたし。

 

『ベネデッタ』おもしろいです。自分の持てる知識のみで裸一貫世界をサバイブ。

 

 

 

映画版『DUNE』はPART2の公開がそろそろ来そうなので、次こそはおもしろく見るべき鋭意努力中。