晴天の霹靂

びっくりしました

『光る君へ』第3回と、映画版『源氏物語』あれやこれ

おもしろかったから今週も『光る君へ』の話をしますよ。

だいたい大河ドラマはよそ見したりしながら「ついでにチラチラ見る」くらいのものだと思っていましたが、第三回「謎の男」は普通にしっかり見て、最後に「えっ、もう終わり?」と思ったので、面白いのよやっぱり。

吉田羊の年齢問題とか、そういうのはいろいろ大人の事情があるんだから頑張って見ないふりしても、それでもよくできています。

www.nhk.jp

 

第三回は「雨夜の品定め」のシーンがありましたがどう工夫しても時代にそぐわないであろう貴公子同士の女の品評会を柄本佑道長非モテぼんくら力により場のマウンテング合戦を不成立にすることで、おもしろいうえに今後何か出てくる予感に繋がってていて「さすが」と思ったもんです。

 

大河ドラマ見てるうちに、というので『源氏物語』にハマっているので最近見た色々。


www.youtube.com

1951年長谷川一夫の演じる光源氏です。

非常に興味深いのは光源氏が頻繁に「あ、そう」という相槌を使うこと。

1951年といえばまだ戦後巡幸盛んなころでしょうから、見た人が「そういえばあの家系の話だよなあ」というふうに意識するものとして作ってあるのではないか。

もともと話の内容は「ありがたい血筋って言っても男系で辿ったところで間で何があったのかは正味のところわからないよね」っていうストーリーではありますし、時代を考えるとずいぶん反骨精神持って作った源氏物語なんじゃないかと思って非常に面白く見ました。

 

 

光源氏生田斗真、もうひとり主役級・道長東山紀之、プロデューサーがジュリー・K・藤島という、完全なジャニーズ帝国源氏物語

冒頭のシーンから道長紫式部を犯すという始まり方をするんですが、そこで有名な光君のセリフ「あきらめなさい。私は何をしても許される身なのだ」を東山紀之が言います。

今となっては見てるのがつらいというのもさることながら、たしかに、源氏物語で描かれているのはそのままジャニーズだったのだなあ、というのはしみじみ感じられるところでもありました。

エンペラーがいて、その人の寵愛を受けるかどうかで自分と家族の運命が全て決まり、それ以外にその場で生きていく道はないという状況。

作品として特別よくできているということもないんでしょうが、なんというか状況があまりにも物語に追いついてしまったので、今になって図らずも作品としてほぼ完成してしまったんだな、と思ったことです。