うちのかわいいぬか床マコンドである。
とりあえず他に適切な容器がなかったために果実酒瓶に入っているが、思うにこれはだいぶ正解であるような気がしてきた。
何がと言って、ガラスだから発酵具合が目視でもわかるのである。
これは野菜を漬け込んだ直後、上からそれなりにぎゅっぎゅと押さえつけはしたが、それでも空気が入ってしまってる様子が見える。
これが翌朝になると乳酸菌がたっぷり呼吸して中の空気が膨らんでるのが一目みてわかるのだ。
ちょうどいいときの膨らみ具合を毎日見てチェックしていけば、これから気温があがってきても温度管理がしやすいはずである。
遮光性がないことによる糠の酸化の心配などをしたものだが、今のところぬか漬けは過去最高に美味しいし、そのへんの問題はあまりないのかもしれない。
ガラス製なので重量はそこそこあるものの、取手がついていて片手で楽に持ち運べるのでめっぽう便利。
それにしても今回のぬか床はずいぶん味良く仕上がっているので
「いったい何がうまくいってるのだろう」
と我ながら訝しく考えてみたりする。
1,真冬の室温ではじめたのが実はぬか床的にトップシーズンだった
2,厚いガラス瓶なので外の温度変化をあまりダイレクトに受けすぎずに環境を安定させやすい
3,毎回野菜と一緒に必ず水抜き(ヤクルト容器で手作り)を入れて水分量の調整をしている
4,抜いた水分量に応じて毎回かならず塩を追加する
などなど、過去の経験を生かしてそれなりに複数の工夫をしていた結果、合わせ技でうまくいってるのか、我が浅知恵などほとんど関係ないけど偶然なんかうまくいっちゃってるのかのどちらかではないかしら(当てにならん)
ところが、二度目の足しぬかを貰いにお米屋さんに足を運んで一番大事と思われることにハタと気がついた。
「そもそも米糠がうまいからぬか床がうまいんじゃないか」
今まではスーパーで買った炒り糠しか手にはいらなかったのである。
今回はじめて、その日に精米した米糠を生のまま使ったぬか床を育成しているのだ。
ネットで調べてみるに、ぬか床には「絶対に生糠が良い」という人と「虫がわくことがあるから必ず炒るべし」という人と、「生でも炒りぬかでもどっちもたいしてかわらん」という人がいるようだ。
どういうルートで糠を手にいれることができるかという状況次第なのではあろうけれど、実際、新鮮な糠が手にはいるんであれば、
「これは圧倒的に生糠に軍配があがるんじゃないだろうか」
と、私としては思った次第。
そもそも糠の段階で「あっ、おいしそう」と思わずもらってきちゃったくらいのものなのだから、それはまあ、できたぬか床が美味しくても不思議はないのだ。
また「新鮮な生の糠」っていうのが、金を積んでも手にはいらない貴重品であることもなんかいい。
時々お米屋さんに行って
「すいませーん、糠いただいていきまーすっ」
っていう感じが贈与経済っぽくてロマン。
気温が上がってくる季節なので、韓国産漬物用唐辛子を入手して塩と一緒に入れている。
糠が赤くなるくらい入れてもそんなに辛くなく、美味しい。