晴天の霹靂

びっくりしました

猛暑ぬか床 ~ガラス瓶で漬けるのが最強な気がしてきた

この夏、せっせときゅうりのぬか漬けを食べている。

30度を超える日が毎日続く中で、常温保存、しかも2,3日に一回も混ぜれば良い方というレベルの無精をしているが、今まで育てたぬか床の中で最も環境が安定して、もっとも美味くいっているので驚いている。

「毎日混ぜなければならない」とか「こまめな手入れが無理な人は冷蔵庫で」などという、あの俗説は一体何であったのか。

床下のような涼しい保存場所もないマンションの一室、それどころかエアコンすらないので室温上がり放題の部屋の中で、こんなに放任主義で育ててもグレる様子のかけらも見せないほど乳酸菌が扱いやすい菌だとは、冷蔵庫で恐る恐るやっていたときは逆に気づかなかったものだ。

 

そのうえ、狙ってやったことではなくて「たまたま手近にあるものを使ったらこうなった」という結果論なのだけど、果実酒瓶で漬けたのはしみじみ大正解だったのだ。

無精者にとって、透明ガラスでぬか床の状態が常に見える、というのは最強だ。

猛暑日に3日も放っておくと表面が産膜酵母で白っぽくなってくる。混ぜ時警報である。

この「ぬか床の方から世話をねだってくる」という仕組みが本当に便利なのだが、琺瑯の容器に入れて冷蔵庫の隅などに鎮座させてしまっては絶対に起こらない糠と人の心の交流なのである。

視界に入ってこないと「うーん、あと1日くらい大丈夫なんじゃないか」などと無精を決め込むようになり、だんだん蓋を開けるのが恐ろしくなって行きがちだが、

ガラス張りで台所に行くたびに目につくようになっていれば「おお、今混ぜてやるからしっかりしろ」という親しみが湧くものだ。

蓋を開けたときにちょっとむっとするような匂いに傾いていたら塩をきつくしておく。

 

 

中に野菜が入っているときはもちろん2日も3日も放置できないので、漬けるときは一晩で全部取り出し、糠のついたままタッパーに入れて冷蔵庫に移す。

食事時に必要なぶんだけ糠を洗い落として食べる。

食べ終わったら次の野菜を2,3日分ぬか床に入れ、また早めに取り出すようにする。

毎日追い立てられるように時間を気にしながら漬けたり混ぜたり食べたりしなくていいので、現代人のライフサイクルには合っている気がする。

 

 

 

毎日無限に供給されているきゅうりのぬか漬けは、そのまま切ってバリバリ食べるほかにしりしり器で細かく刻むことも多い。

そうめんなどの薬味としたり、納豆に混ぜたりもする。

あまりでかい声では言えないが納豆に入れるときはゴマとブラックペッパーをかける。一般的に旨いかどうかは分からないが超私好みの味だ。夏らしい。

別に包丁で刻んでもいいのだけどもはや暑すぎてみじん切りも面倒くさいのでしりしり器が超活躍。

 

 

 

結局は塩分と水分の管理次第なので、ちょっと高いようにも思えるけどぬかとっくり入れっぱなしにしておくと便利。

 

 

 

とは言え、ぬか床作ったことない人の心理的障壁を下げるにはこういうお手軽スターターキットみたいなのは貴重な経験値。私も何度もやった(結果的には果実酒瓶で放任主義のほうが簡単ではあったけれども)