『クリード 過去の逆襲』観て来ました。
『ロッキー』から始まってフランチャイズ全部観ているから、一応観に行ってはしまうのだけど、クリードって、「アポロの息子」という以外はあまり共感しどころのないキャラなのがなかなか厳しいわねえ、思いながら向かったものですよ。
前作の『クリード チャンプを継ぐ男』でも一番共感を持って観られたシーンって、生まれたばかりの赤ん坊の世話を任された途端に途方に暮れて、「泣き止まないんだけどどうしたらいいんだ」と実家に電話したり、なぜかジムに連れていって「泣き止んでくれよお」ってメソメソしてたあたりでした。
「今こそ君は人生に立ち向かっているのだ、がんばれっ」
と内心盛り上がったもんですが、しかしそういうことであれば見てる側にとっては別にクリードってボクシングやらなくてもいい人だってことには成ってしまう。
そのへんの、クリードの人生の来歴をなんとかしたかったのであろう今作ということであったんですかね。
クリードは相変わらず、きちんとしていてハンサムで豪邸に住んでていい家族が居てお金と名声があって、引退したとはいえ実績もあればいいジムも持ってる立派な元ボクサー。
対して、対戦相手のデミアンは、かつてアマチュアのチャンピオンだったとはいえ18年刑務所暮らしで、おそらくまともな環境でのトレーニングをしたことはなく、家も家族も金も仕事もないうえに、クリードより年上です。
これは、クリードが勝ったところで何かカタルシスあるのだろうか。
「そりゃあまあ、勝つでしょうね(むしろデミアン頑張れ)」
と思いながら観てて、案の定クリードが勝ったところで「ちゃらちゃ~らちゃ~ら」ってロッキーのテーマ流されても
「え、ロッキーってそういうことだったっけ」
とならざるを得ない。
思い起こせばスタローンって、どれだけエイドリアンといちゃいちゃしててもなんとなく寂しそうな顔つきだし、筋肉もりもりに鍛えてもなんとなくいびつな体型だし、成功してセレブ生活をしてもダサいし、ばっちり演説してもなんとなく口下手に聞こえる声だし、すごく負の方向にスター性あったよなあ、と思うわけです。
その点マイケルBジョーダンかっこよすぎ問題というのはちょっと難しいところあるよな、と思ってしまったのでありました。
そういえば本編の後に唐突に意味のあまりわからない短編アニメがついてたのはびっくりしました。
「トイレ行きたいんだけどっ?」
と思いながらも、始まっちゃったから我慢してみたんだけど、アニメの意味も、なぜそれがついていたのかという意味も全然分からなくてシュールで面白かった。
トイレは間に合いました。