2021年にもなって恥ずかしげもなくいいますが、『ゲーム・オブ・スローンズ』っていう海外ドラマ面白いですね。
むしろ今。
何年前でしたか、えらい話題になってそりゃあ面白い面白いって話題沸騰してたときに、私も何回か挑戦したものです。
そしたら、再生するなりいきなりのバラバラ死体だし、画面暗いし、知らない人ばかり次から次に出てくるし、ものすごく先も長いし。
「きっと面白いのだろうけども、私には無理です」
ということで早々に白旗を挙げたのでした。
時は流れ流れて、2021年。原作小説の存在に気付いたのです。
全然違うタイトルなので、アレがコレだということを知らなかった。
「小説なら私でも読めるんではないか」
ということで試しにKindle無料サンプルで読み始めてみたのです。
(それにしてもなんでこんな気恥ずかしい表紙なのか)
「なるほどこれは軽い気持ちでドラマ見はじめたときにギブアップしたはずだ」
と思ったことには別に主人公がいる小説じゃないってことですよね。
誰かに感情移入してその視線で物語追っていければざっくりついていける、という造りではなかったので、情報量的にいろいろ処理しきれなかったのもいたしかたない感じでした。
国が7つもあってそれぞれが王権争いしてる群像劇。
そんなどこの時代の誰かもしれない貴族がずーっとずーっと権力争いしてるのを延々と読み続けてたって面白いわけ……
正直、これがなんで面白いのか、実際よくわからないんですが、ミッチミチに作り込まれたファンタジー世界がどこまで読んでもまだまだまだまだ続いていく安心感みたいなものに、どこからどっぷり浸りました。
私がどんな平凡な生活を過ごしてる間も、この本さえ開けば醜くきらびやかな権力闘争をずっとやっててくれる安心感というものか。
「そっちの世界が大変そうだからこっちは安心して凡庸に暮らしてられるわよ」といったところか。
小説がやたらと長いことの喜びにずいぶん久しぶりにハマった感じがしました。
とはいえ、「本当にこんなごちゃごちゃしたもの世界的に読まれてるの?」と心配になってくるほど登場人物が多く、途中から誰が誰やらぼんやりしてきますから、そうなったときの情報整理にamazonプライムでドラマ版『ゲーム・オブ・スローンズ』見ると、また面白い。
情報整理というにはあまりにもゴージャスな映像化作品(むしろびっくりするくらい原作に忠実に作ってある)を観ながら、並行して本を読み進めながら、とやっていくと相互作用で否が応でも盛り上がってしまう陰険ワールド。
いやあ、被害の及ばないところから性格の悪い人をじっくり見るのって、本当にいいものですね。