ずっと見ようと思っていたんだけど、写真が怖くて先延ばしにしていたホラー映画で年越し(見てる途中でうっかり2022年になっちゃったのでちょっとびっくりした)
ジャケットの写真を見て主人公が老人だと思っていたんだけど普通にハンサムな青年だったのが衝撃。
見ていて、『ダイハード3』の黒人・白人バディものでずっと一緒に行動してるのにサミュエル・Lジャクソンだけがずっとちくちくと小さい差別にさらされ続ける感じを思い出した。
「いちいち取り合ってると生活できないけど、全無視するわけにもいかない」という自分に向けられる偏見の嫌な感じが非常にリアリティがある気がする。
一応最後ハッピーエンドで終わったのでほっとしたうえで、思い返してみればなかなかのブラック・コメディだった。
逆の結末だったらアレもコレもソレも、なかなかちょっと笑えないもんなあ。
一作目がおもしろかったので、この機会に鑑賞した続編もの。
つまらないとまでは言わぬがなにかと散らかっており、
「そもそも誰が誰だっけ?」とか
「今さら思い出の品集める意味って何?」とか
「あっちともこっちともちゅーするのはどうなんだ」とか
「冒頭で殺されたカップルは一体?」とか、煮え切らない点が多すぎた。
うまく伝わってこなかっただけで、志としては結構面白い映画であるような気がするのだが、映画見て他所様の志を評価してるというのも何様なんだ、私。
そんなわけで「もっと一貫したテーマがあるに違いない」と原作を読み始めた。まだ途中だが当然面白い。
『IT』の何がそんなに気になるか、といえば
「子ども時代の呪縛であり、地元や実家から離れた時点で振り切ったと思っていたソレに、何十年もたってからまたふいに襲われる」
というのは、まさに中年の熱いテーマであって、切実なものとして読んで面白いからである。
誰の人生にだってソレはあるのだ。
あと最近のアメリカの小説を読んでると中間層と大都市以外の地方の没落がいかに圧倒的なレベルで進行してるのかがバシバシ現れていて、なかなか恐ろしい。
日本はこれでもまだ全然持ちこたえてるほうなんだなあと改めて思ったり。
文通によって創作してたいとこ同士のユニット作家、エラリー・クイーンの往復書簡集。
この本がとてもおもしろいらしいという噂を聞いて、セールだったので買ったのだけど、普段あまり推理小説を読まないものでエラリー・クイーンのどれを読んでどれを読んでないのかがさっぱり思い出せず。
仕方ないので創作過程が取り上げられている『十日間の不思議』『九尾の猫』『悪の起源』を、この本を読むためにまとめて読んだ。
結果「いやあ推理小説って、本当におもしろいものですね」
という大変純情な感想を持つ。
そして、推理小説を推理するための本として往復書簡の方も、楽しめてお得な思いがした。
「いや、7人殺すか、もっといっぱい殺したほうがいいかで、そんなに喧嘩しなくてよくない?こっちはある程度適当に読んでるんだし」
とか思ったりもするんだけど、書くほうが命がけで書いてるから、こっちは適当に読んでさえ面白い緊張感のものができるんだよな。そうだよな。
1~8巻が1月6日まで無料公開というのを教えてもらったので、読んだ読んだ。
格闘系の少年漫画って読みなれてないので、視覚情報としてはアニメのほうがわかりやすいのだけど、コミックを読んでいると端々で「おや?この作者いい人だぞ?」みたいなことを思うのが楽しかった。
8巻にあるコラムの中で「自分は主人公の虎杖が苦手なんだけど、彼は善人」というようなニュアンスのことが書いてあって、非常に共感してしまった。
楽しくて朗らかでいいヤツに対して心が開けない感じ、すごいわかるんだよーっ。
時間があったらまとめて見ようとおもっていたNetflixドラマも絶賛鑑賞。
まだ最後までたどり着いてないんだけど、本当によくできてるのにびっくりする。
最終的にほとんど全部死ぬ話なので基本的には明るい要素がないようなもんだけど、演者全員の表情に常に一定のユーモアの感じがあるのが不思議。
知ってる役者は一人もいないけど、いい面構えの人ばかり出てるのがしびれました。
たくさん読んだし、たくさん見た。いい正月だったーっ。