Huluにてドラマ『三体』観終わりました。
日本語字幕で音声は中国語のみ、かなりしっかり画面に集中する必要がある視聴環境での50分前後の30話です。
時間は掛かったけど大変面白い。そういう話だったのかっ!
第一部は原作で2回くらい読んだんですが、ほとんど何もわからないまま読んでいたことに改めて感動したもんです。いや、本当にそういうことだったのか。
ドラマ鑑賞中に「え、そんな説明してた?」と思って原作に戻って読み直したらちゃんと書いてある箇所がたくさんあるのもさることながら、「こんな人いたっけ?」と思って原作を読んだらちゃんといる、しかもわりと重要人物、ということまであり、SF読むのが苦手なのは昔から気づいておりましたが、散々でした。
そして映像ってやっぱりわかりやすくてすごいですね。
さっぱり理解できないままに読んでいた頃に比べるとだいぶ意味がわかるようになってみると『三体』がなぜあんなにヒットしたのかもわかる気がしてきます。
野放図な大風呂敷の広げ方が「バカSF欲求」を十分に満足させる一方で、古典的な基礎物理学から最新理論物理学まで縦横に盛り込まれているので分かればなんとなく頭がよくなった気にもなれる。
馬鹿な気持ちと賢い気持ちを両方いっぺんに満たせるなんて至れり尽くせりではあるまいか。
「タバコのフィルターを二次元にするとテニスコートくらいのサイズの情報が入ってるんだよ」という説明はいつか誰かに得意げに語ってみたい日本語です。そして返り討ち。
ちなみに中国ドラマを観る機会って今まではほぼなかったのですが、とっても分かりやすいうえに面白くできていることに感動した一方、いわゆる”西洋人”の描写が極端に画一的だったのはむしろびっくりしました。中国の役者さんたちはみんな個性的なのに、「西側」の人になると突然一昔まえのハイブランドのファッションモデルみたいな生活感ゼロのいかにもイケメンしか出てこなくなります。意外にもそのあたりのキャスティング力に関しては日本のエンタメ業界とそんなにレベル変わらないものか、と思うとちょっと楽しい。
30時間近くかけてやっと第一部を映像化し終わったのは良いのですが、そこまででは何も解決しておらず、むしろ一番先が気がかりなところでもあります。智子が来る!絶体絶命!というところで終わられても寝覚めが悪い。
第二部も第三部も読んではおりますが、もちろんちっとも理解はしておりませんから、これはこのまま最後まで映像化してもらわないことにはなんともし難いところです。
しかしながら原作は2部、3部と進むに連れて分量が倍倍になっていったことを考慮すると、あと150時間くらいかかりそうなものではあるし、この先どうなることかしら。
ネットフリックスの『三体』がはじまるまでまだ一ヶ月近くあるので、中国版をもう一周みようかなあ、などと考える程度には面白かったのです。
ところでおもしろ高次元といえば『インターステラー』だと思うんですが、次元を上げていくと自分のうちの本棚の裏につながっていて、そこから本を一冊ずつ落とすこともできる、ってのは理論上ありうるんでしょうか。それとも私の見間違い?