最近『三体』を読み返しております。
たしか日本で発売になった2019年大ヒットして話題になっていたのにちょっと遅れてハヤカワのセールで半額になったのを買って読んだのです。
「うん、まあなんか面白いものを読んだ気がするぞ」
と思ったものの、思い起こせば「読むの大変だった」という印象のほうが強かったもんです。
なにしろまず人物名が読めないうえに読み方2つずつあるし、名前では性別もわからないし。
めっぽうスケールがでっかいので読んでるうちに「今のシーンの前のシーンがどんなだったか」というのをほとんど忘れてるし。
そもそもこのシーンとあのシーンがどういう接続になってるのか説明してもらった覚えもないし。
世界で記録的に売れてるっていうけど、「みんな本当にわかって読めたの?」って思ったくらい、それなりに苦労しました。
その後、第二部の『黒闇森林』が半額になったときにやっぱり「いつか読もう」と思って買っておいてあったのです。
寒くて外にも出たくない大寒すぎのこの季節こそ読み時と言えましょうよ。
せっかくなので最初から、と思って第一部の『三体』から読みだすと、あら素直に面白い。
一回目読んだときにだいたい「人物名が鬼門」というのと「時空も語りのトーンもあっちゃこっちゃ行くので相当振り回される」ということはだいたい把握したので、そのつもりで再読します。
そうすると、お行儀がよろしくない感じが本当に楽しい。
文化大革命の、非常に凄惨なシーンから始まるのでうっかり居ずまいを正して読み続けそうになってしまうんですが、
「ま、その話はさておき」
って感じでいきなり時代が半世紀ほど過ぎて主人公が勝手に変わるし。
唐突にダイハードみたいな柄の悪い警官とか出てくるし。
あんなに可憐だった冒頭の女性主人公が年老いて苦労続きの人生の語り部として再登場したのかと思いきや、おいおい、ばあちゃん、ちょっと待ちなはれ!
っていう事態になってるし。
なんだなんだ、と思ってたら「ネットゲームのオフ会」で話がずんずん進むし。
なるほどこれは爆笑大型SFなのだな、ということを、二度目読んでやっと理解できたのでありました。
そいうえば『三国志』なんかでも言えましょうが中国の長編って「そこ明らかにケタがおかしいだろう!」っていうスケールでグイグイ来るのが楽しさだったりするものね。
理論物理学にビビってうっかり真面目に読むところだった。
二部の『暗黒森林』と三部の『死神永生』のほうがもっと度肝を抜かれるっていう話らしいのでこれは春までだいぶ楽しめるとテンションあがってきた昨今であります。
二回読んで分かったことは「うっかり真面目に読もうとしないこと」コレ大事。