最近やっと『三体』の続きを読みはじめています。
もう、値段高いし、そもそも長すぎるし、読むの大変なのでなんとかしてほしいところなんだけど、またさらに面白くなっているので困る。
思い起こせば、盛んに話題になっていたのを聞きつけて、早川書房のセールで安くもなっていたので出来心で読んだのがはじまりでありました。
全四冊にもなるなんて、最初は知らなかったのです。
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たしかに面白くはあったんだけど、相当に読むのが大変だったなあ、という印象の方が強かったのです。
フリガナついていないうえに性別もわかりにくい中国名が覚えられないし、はじまり方が結構暗いし、話が壮大すぎてうっかりしてると何が何だかわからなくなるし、振り落とされないようにかじりついて読みつつ
「……あれ、でも結構おもしろいかも?」
というくらにはおぼつかない読書でした。
もともとハードSFは一回読んでも頭に入らないでお馴染みのぼんやり頭脳なので、たぶん私のゆるふわ思考回路のせいだろうと思いました。
それでも、続きが出たと聞けば読みたくなるくらいは印象に残る、ある種乱暴な魅力もあり。
とはいえ、まだ完結までにはあのぶ厚さで三巻分あるし、最後まで全部買ってたらいくらかかるんだ、としばらくはぐずぐずしてたのです(ちなみに図書館の予約件数は85件。さすがに最初の方のあらすじ忘れちゃうよ)。
あちこちで持ち上がっては頓挫してるっぽい映像化の話が、こんどはネットフリックスで決まったらしいというニュースを見かけ、とうとう普通に買って読む羽目になったのです。
ネットフリックスならぜひ見たいから、映像化の前には読まねばなるまいよ。
そしたらやっぱりおもしろいのです。
相変わらずSF的な枠組みにおいては、どれくらい話についていけてるのか我ながらおぼつかないものの、ひたすら「おもしろければいいじゃん!」というエネルギーで前に進む謎の機械みたいな乱暴な魅力。
話の概要をちゃんと理解できるようになるのは、それこそ、誰かが映像化してくれたのを見たときにやっと「なるほど、あれはこういう話だったのか!」となりそうな気がするんですが、もうそれでいいのかもしれない。
なんとなく異常にエネルギーがあって面白いからよくわからないまま最後まで読む、という読書体験にまい進しようと腹をくくったのでありました。
なにあの謎の世界観と大風呂敷。
マーベルシネマテックユニバースを「もうこの年だからあれだけのエネルギー量とか、登場人物の多さとか、世界観とか、アクションの多さとか、展開の早さとか全然まったくついていけないっ!」と思いながらも、それでもやっぱり圧倒的なエンタメであるということに押されて全22本を青息吐息で見てしまう、あの感じです。
全然何も頭に残らなくってもいいから、有無を言わさず別世界に連れてってくれるエンタメってやっぱり一応ちょっと浴びておきたくなるもんだ。
アーサーCクラークの『幼年期の終わり』に似てるところが、また中年の心をくすぐります。
意外に古風なことやるんだな、っていうところが、愛嬌ではないか。