「ここまで大きくなってしまうとかえって売れ残ってしまいやしないか」
と心配になるくらいの立派なシイタケが安かった。
ちょんちょん、と石突きを取って腹を出してグリルに並べ
へその上にバターを載せるやら、マヨネーズを載せるやら、溶けるチーズを載せるやら。
こんがり焼いて、仕上がりに醤油をたらしたり、胡椒をひいたり、青さを掛けたり。
気まぐれな味付けを終えた各々の分厚いシイタケをどさどさ、と並べてシイタケ弁当と相成った。
特別大志を抱いたわけでもなく、買ってあったから焼いて入れただけ、ノーアイディア弁当なのではあるが、肉厚なところに脂分を吸ったシイタケはどうかすると
「ちょっとしたステーキ弁当くらいの味わい?」
というレベルで迫力ある味で、なんだかちょっと申し訳なかった。
こんなに美味いと分かっていたら、もう少し丁重に押し戴いたものを。
シイタケってうまいうまいとは思っていたけれど、今日という今日はまたずいぶんうまい。
今時期は格別おいしいのかしらん、思いがけずありがたいことである。
それはそうと、見るたびにとても複雑な気持ちになるのが北海道産しいたけのブランドシールである。
さすがにヨコシマな気持ちで作ったデザインじゃないだろうとは思うのだが、この文字は何て読むのだろうか。
見るたびに人として何かが試される。
最近買ったキッチン用品の中で劇的に便利だったカッターつきバターケース。
丸ごと30分くらい室温に置いてちょっと柔らかくしたバターを付属のワイヤーですーっと押し切ってそのまま保存する。
ワイヤーが細いのでナイフでいちいち切り分けるみたいに断面から酸化していく心配をほとんどしなくていいし、べたべた触らないから衛生的に扱える。
ひときれ5グラム程度なのもちょうどよく、すっぽり収まるバターナイフがついてるのも地味にかなり便利。
これのおかげでやっとバターってもんが気軽に使えるようになった。