晴天の霹靂

びっくりしました

ポメラに執着するために親指シフトの練習をはじめた

 

親指シフトの練習をはじめてから一ヶ月。

ja.wikipedia.org

最初は無秩序に見えるキーからいちいち探しながら一文字ずつ押していくことに「なんか懐かしい苛立ち」を感じていたものが、よく使うキーはうっすら検討がつくようになってちょっと楽しくはなってきた。

とはいえ目の前にキー配列シートをおかなければ意味のある文章は書けない状態であることにはかわりなく、道のりはまだ遠い。

 

なぜいまさら、使用環境が極めて限られる親指シフトをわざわざ覚えようと思ったのかといえば、「愛用のpomera200が壊れたから」だった。

買ってから3年ほど、ある日純正品でない充電ケーブルを差し込んだら液晶が砂嵐の静止画みたいになって壊れた(純正品以外のケーブルで起動がおかしくなるのはpomeraあるあるらしい。怖い)

修理の依頼をしたら、なんと液晶交換で二万円もしたのだ。

 

本体価格だって35,000円ほどしたものを、「シンプルな構造だから一回買ったら一生使えちゃったりして」などと無理やり自分を言いくるめて青息吐息で買ったのだ。ケーブル間違いくらいのことでさくっと2万円加算となると、私はこの子とこの先も連れ添っていくことができるのだろうか、と猛烈な勢いで弱気になってしまう。

しかし、その一方で、確実にないと困る筆記用具であることも確か。思い立ったらすぐ使える軽量コンパクトさも、無限インターネット地獄に接続されない潔さも、白黒反転画面の目に優しさも、換えがないではないか。

 

泣きの涙で修理代を振込みつつ、ついにわけのわからない決意に至る。

「一生pomeraと離れられなくなるために、親指シフトの使い手になってやる」

思考回路としては完全に破綻はしているが、動機としては純粋でもある。

 

そもそもワープロを通り越していきなりパソコン世代だった私としては、親指シフトの最盛期を知らない。最初に覚えたのはもちろんローマ字入力で、そのまま何の不自由もなくローマ字入力一本でずっとやってきた。身近に親指シフトを使っている人もみたことがない。

ただpomera200を買ったときに「親指シフト キートップシール」なるものがついていたので、「親指シフト」という入力方法が使用可能であることはうっすら意識はしていたし、より楽(らしい)入力方法にはもちろん興味もあった。

親指シフトキートップシール

「それにしても、今となってはほぼpomeraと特殊なキーボードでしか使えない入力方法を習得するのも効率悪すぎる」と思って放置していたのが一転、修理代2万円と引き換えに、親指シフト習得という謎取引を自分としたのだ。

 

一応は「効率が悪すぎるようだったらやめればいいし」という思いもあったのだけど、はじめてみれば「黙々と練習を一定時間積み重ねていけば身について、一度身についたらもう習得前の状態には戻らない技術」の習得って、そもそも自分は結構好きであることに思い至る。

編み物ができるようになるとか、自転車に乗れるようになるとか、そういうレベルのこと。特に大人になってからは何かが「できない」という状態から徐々に「できる」という状態へ移行していく旅はとても楽しいので、なんか機会があればできるだけやっていたい気もする。

 

とはいえ、まだまったく実用レベルの習得には至っていないので、この先で嫌になってやめる可能性はある。親指シフトpomeraのキーボードの相性がどうかという細かいこともわからない。

それでも「これまで以上にpomeraに愛着が湧く」という目的のほうは、すでにちゃっかり達成してしまったのは確かなことだ。pomera離れがたし。本当に頼むからもう壊れませんように。

 

 

数年前に新機種のpomera250も出ている。より親指シフトフレンドリーな設計になってるらしいが、とにかく高いので見なかったことにする。

 

pomera200

うちのpomera200ちゃん。『フュリオサ』を観に行ったときにもらったステッカーと100均の保護シールを貼ってみたところ「どうやったらそんなに何もかもバランスの狂った気持ち悪い貼り方ができるのか」と言われた。落ち着いて見るとたしかに貼ってる場所が全て的確にズレていてすごい。

 

今週のお題「上半期ふりかえり」