晴天の霹靂

びっくりしました

雪虫に背中おされて日めくり

数日前から雪虫が大量発生していて、外をあるけば目にも鼻にも口にも入るのが相当なストレスである。

www3.nhk.or.jp

 

雪虫」と言ってどこからどのあたりのエリアまで通じる言葉なのかおぼつかないが、北海道では初雪が降る前の冷え込んでくる頃に身体に真っ白な綿毛をつけた小さな虫が飛ぶ。風に巻き込まれるほど小さな虫なので自転車などに乗っていれば目や鼻に入って邪魔くさいものではあるのだけれど、それでも初雪の直前にお告げのようにまっしろで儚い虫がふわふわ飛ぶ姿は本来悪くないものではあるのだ。

「それにしても限度がある」

と、今年は思う。数が多く飛び過ぎな上に、なぜだかトレードマークの白い綿毛もつけていないのでほだされポイントもない。見た目で差別することにたいしては申し訳ないとは思うが、こうなると季節感どころの騒ぎでは全然ないのだ。

目鼻口のすべてを開けず閉じず、しょぼしょぼさせながらうつむき加減に道を歩くと向こうからも同じ表情の人が歩いてきてすれ違う。夏の異常気象のおかげで今年は散々な季語である。

 

来年で3年目になるトイレ用の俳句日めくりカレンダーを、忘れないうちに買った。

すでにお気に入りになっている日めくりだが、今年の版はとりわけ解説が妙で、「さすがに文章が下手すぎやしないか?」とか「予断にすぎるのでは?」と首をかしげる日が頻繁にあり、基本的な性格に問題ある私としてはトイレに赤ペンを常備して解説の添削に勤しむことでより一層楽しんでいた。

巷に溢れる下手な文章の添削をするのは私のささやかな趣味だが、これは毎日ちょうどいい長さの感性を逆なでする文章がついているところが便利なのだ。(ちなみに俳句のほうはもちろん添削できるのほどの知識があるはずもなく「ふーん、そうか」と毎日思ってるだけだ)

そしてこういうひねくれた心を抱いて日めくりと向かい合っているのは私ひとりなんだろうと思っていたら2023年版には「解説がどうも…」と書いてあるアマゾンレビューがたくさんついていたので思わず嬉しくなった。朝から若干いらっとさせられる文章を読むことでその日の活力を得ている同志は、他にも居たのだ。

 

私の記憶では、2022年はそんなに酷くなかったのである。こうなってくると来年版がどうなっているのか。解説者は同じ人なのか、変わるのか。来年が楽しみになるのはありがたいことだし、解説がうまくても下手でも、超愛用の日めくりである。