晴天の霹靂

びっくりしました

『クライムズ・オブ・ザ・フィーチャー』~そのかわいい衣装はなんなんだ

『クライムズ・オブ・ザ・フィーチャー』観てきました。

最高気温36・3度を記録する中、臓物エンタテインメントでもないだろう、という疑いを持ちつつでかけたものの、大変楽しい映画でした。

 


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長い袖をずっとヒラヒラしているヴィゴ・モーテンセンが愛らしくて最高です。

保育気で眠るヴィゴ、獣みたいに唸るヴィゴ、オドオドするヴィゴ、体育座りするヴィゴ、嫌いな物をいやいや食べるヴィゴ。

「なんだかわからないで観に来たが、やけにかわいい映画だな」と思ってたら最終的にチョコレートバーが美味しくて絶頂に達するヴィゴのアップで締め。

本当にわけのわからない愛らしい映画でした。なんなんだ。

 

ビデオドローム』で印象的だった「男性に女性器があったらどんなだろう?」っていう好奇心が相変わらず維持されてるところも非常に面白かったです。

よりワクワク感の強化された率直な興味という感じで、フロイト先生よりだいぶ楽しそう。

 

思い起こすに、それこそ20年くらい前までは「女性のカイカンは大変強いので男性が体験したら耐え切れなくて死ぬ」みたいな類の言説がまあまああったように記憶しておりますが、そういえば最近見かけなくなってきたのではないか。

……などということをちょっと考えたりしました。

いろんな専門性のある分野に女性も増えてきて、説得力ある立場から「そんなわけないだろ。わりと普通だよ」みたいなツッコミをしてくれるようになったおかげなんだろうか。

それとも私が年を取ったせいで「アノ最中に気絶する女性はたくさんいるんだよ(君は本当のカイカンを知らないんだねウヘヘヘ)」という謎マウントを取られる立場ではなくなってきたおかげに過ぎないんだろうか。

 

そういう大変面倒くさいあれこれを考えると「オールドスタイルのセックスは苦手なんだ」って言いながらジリジリと壁際を後退するヴィゴ・モーテンセンは、マッチョな威圧感がなくてとても素敵です。

タイトルを見るとなんとなくディストピアっぽいものの、「この世界観、悪くないんじゃないかな?」と思ってしまうのでありました。