見てきましたよ、『インディ・ジョーンズ 老いの一徹』
ほぼミッションインポッシブルでしたが、比較するとトムクルってまだまだ若造なのね。
冒険活劇のヒーローが80歳ってことは、つまりハリウッド映画という娯楽システムが老齢期ってことだと思うんです。
それが、「振り返れば失敗ばかりだし、体中痛いか知んないけど、こちとら老人のセンチメンタリズムに付き合ってる暇はないんじゃっ」ってワンパンチ食らうのを見るのはなかなかピリっとしていいなあ、と思ったもんです。
また、ハリソン・フォードが絶妙なやられっぷりでね。
老人をいじめてるように見えたら爽快なわけないし、かと言って年寄りに見えなくても意味ないし、80歳になってあんなに気持ちよく殴られるなんて本当に稀有な人であります。
ただ、もとが常人離れした特殊な年の取り方をしている人を、CGで若返らせたり、年相応のしょぼくれ老人にしたり、あんまり時代を好き勝手に前後させると、見てる側がいつの何を見てるんだか全然わからなくなりますね。
列車のシーンが伝統的に冒険活劇の華なのは非常によく分かるのだけど、映画としてはなかった方がわかりやすかったんじゃないか、と、あとから思ったもんでした。
あと、古い映画の車泥棒シーンでよく見かける二本の線をパチパチっとかやって接続するとエンジンかかるという謎シークエンスについては、かねてからみんな無邪気に不思議がっていることと思いますが、今回はあれで飛行機が飛んだにはたいへん感銘を受けました。