晴天の霹靂

上品な歩き方とかを習得できないまま人生を折り返すとは

『毛糸に恋した』~いろんな姿勢で編む人よ

群ようこさんの『毛糸に恋して』というエッセイ集の中に、かわいいイラストのページがある。

群さんの友人たちがそれぞれどんな姿勢で編み物をしているか、という図である。

80年代に編まれたエッセイ集でもあり、なんとなく当時の日本の住宅事情まで推察されて、こういう絵は本当に楽しい。

 

私はといえば、何よりもまずパソコンの前で編んでいる。

パソコンに向かっていて全く何も思いつかなくなったとき、ツイッターやらニュースやらに気を取られてそれで時間ばかり経つことが本当に嫌なのだけど、

パソコンというのは基本的には起動している間ずっと、こちらの興味を奪うようなものを流入させ続けるシステムになっている。

なんとかならんのか、と思っていたところで、どうやら編み物をしながら考えごとをするのが最適だということに気づいた。

故にモニタの真横の目のつくところに編みかけの毛糸玉がおいてある。

「うーむ」

となったらサッと手に取る。何かを思いつくまで編む。

考え事をしていた時間がそのまま編み目の数になって手元に残り、物事は続けていればいつかは終わることを示唆してくれる。ありがたい。

 

最近は、朝ぼんやりしながらコーヒーを飲んでいる時間にも「この間にちょっと編めるな」と思うようになった。

コーヒーと、毛糸を一緒にして部屋中どこにでも持っていけるサイドテーブルがあれば、もう無敵なんじゃかないか。

そう思ってアイリスオーヤマのキャスター付きテーブルを買った。

朝は寝ぼけた空を見ながら少し編み、日中はパソコンの前で編み。

そうやってちょっとずつ寒い季節が進んで行けば良いように。