読書に電子書籍リーダーを使っていて、便利なことのひとつにサンプルを無料でダウンロードしておける、ということがある。
気になった本はとりあえずサンプルをダウンロードしておけばメモ代わりになる。
無料だから手あたり次第ダウンロードできてちょっと富豪の気分が味わえるし、気分に合わせて大量に入っているサンプルの中から好きなものに手をつけておもしろかったらそのまま正規版を買って読み続ければいいのだから普通の「積ん読」より結構経済的だ。
サンプルが面白くて「よし買う」と思ってストアに入ったら予想の五倍くらいの値段だったりしたときに切なくって変な声が出るが、それでもトータルでは伝統的な積ん読より経済的になってるような気がする。
ということでほとんど表題を見もせずに適当にダウンロードしてあったサンプルを開いてぼんやりと読み始めたらこんなことが書いてあった。
私は毎日、夜は十時間眠り、昼寝を二時間ほどします。覚めている時間は十二時間足らずです。起きているときは、食事をしたり、本を読んだり、街をあるいたり、その余暇でもって僅かな量の仕事をします。
うわっ、なんだこの魅力的な文章。と思って確認したらまったく心当たりのない随筆集だ。
なぜだ、なぜこんなものがダウンロードしてあるのだ。誰だ、神か。
大人でも十二時間も寝てもいいのか。
そうか。神、ありがとう。
やたらめったらサンプルをダウンロードした電子書籍リーダーというのは、かように「冬物のコートを久しぶりに出てきたらポケットから去年ののど飴が出てきてラッキー」みたいなことが起こりうるのも面白い。買う。
kindle電子書籍リーダーとkindle unlimited(月額980円)の加入でわりと人生変わりましたけど、Amazonにしてやられてる感は払しょくしがたい。