晴天の霹靂

びっくりしました

光回線安定化の道のり ~VDSL、PPPoE、IPv6

夏に引っ越してきた我が家がやっと光回線安定するまでの五か月の記録を一応メモ代わりに。

引っ越しをしたらVDSL方式になった!

元は戸建て用の光回線だったので大変快適で特別の不具合はありませんでした。

転居に際して、業者を変えることでちょっと得になったりするなら乗り換えしてもいいんだけどなあ、というようなこはうっすらと考えつつも、引っ越しと言えば他にやらねばならぬことはたくさんあるので、面倒くさくなってとりあえずauひかりのまま転居手続きにした。

 

引っ越し日と合わせて首尾よく開通したのはいいのだけど、開通工事に立ち会ってみておどろいたのは、古い電話ジャックにそのままルーターをつなげて「はい、つながりました」だったこと。

懐かしのVDSL方式まだ現役だったとは!

確認のためどこから光回線引き込んでいるのか聞いてみたら分配装置は二階。そこから五階の我が家まで、たぶん何十メートルかはかなり古いアナログ回線を引き回している。「これは絶対に使えないっ」という予感にわななきながら使い始めたところ、案の定ピークタイムが青息吐息。

 

しかし共同住宅VDSL方式を採用されている場合、回線速度が遅かったところで個人でできることって何かあるんだろうか、と頭を抱える。

かすかな希望として考えられるのは回線事業者を変えてみるとこと。auひかりだった我が家ならフレッツ系列の業者に変えてみれば、ひょっとして各戸まで光回線で引き込んでくれる可能性もゼロとは言えない。しかし回線事業者を変えたところであいかわらずVDSL方式を採用している可能性だってゼロとはいえない。っていうか、五分五分だ。

転居したばかりで初期費用の分割分はほぼまるまる残っているし、二年更新なので違約金もかかる。これを負担してくれるところがあれば、いちかバチかで乗り換えてみてもいいだろう。そう思って大手家電量販店に出向いた。

イチかバチか、回線事業者を変えてみる作戦

使用できる事業者を検索してもらったところ、ちょうどNTT系のソフトバンク光が該当した。「違約金分を補填してくれるサービスがあれば乗り換えの検討をしたいんですけど」という話をすると、解約するプロバイダでかかる料金の負担と、新設の工事費を負担するキャッシュバックキャンペーンを教えてくれた。(とくに店頭には何も書いてなかったと思うのだが、あれは言わないと適応してくれないシステムだったんだろうか)。

 

開通待ちの期間。私が少し神経質になったのは、ネットが接続できない期間が発生しないようにすることだ。開通工事日までに前の事業者で回線の開放が済んでいないと新しい回線を敷設できないと思って、auひかりの方の回線開放がいつになるのかをだいぶ頑張って問い合わせようとした。そしてあまりにもサポートがつながらないことにやや切れてもいた。いろいろ苦労の末聞きだせた内容からすると、とくに回線の撤去日というようなものはなくて、auひかりの契約が存続しているままでもソフトバンク光の回線も敷設できるらしい。いろいろあってサポートに猛烈に不信感をもっていたので担当者の名前まで聞きなおして「間違いないですねっ」と念を押してしまったが、この点は本当に間違いがなかった。

昔「前の事業者の回線撤去が終わってないので開通工事ができません」なんて話をちょくちょく聞いたのは、ADSLだからだったのか。こんなところで年がばれる。

 

光ケーブルとPPPoEが手をつないでやってきた!

開通工事。工事に来てくれたお兄さんの手元を背伸びして覗き込んでいると、ちゃんと光ケーブルの輪っかを持ってきてシュルシュルと二階まで通してくれた。

「来た、イチかバチかで光回線方式の勝ち!」

心の中で小さくガッツポーズをしたことである。

しかし、この接続方式が実際申し込んで敷設してみるまでわからないというのはなんとかならないかなあ

 

回線工事をしてくれたお兄さんがかえってから、ひとつ問題に気づく。私はソフトバンク光の中でも、オプションをひとつもつけない、一番安いプランにした。ゆえにBBユニットという、ルーターの貸し出しもうけていない。お兄さんは光終端装置だけとりつけて、「じゃあ、あとはご自分で設定されるということですね」と言って帰っていった。

もちろんである。うちにはずっと使ってる無線ルーターがあるので、月500円もかかるBBユニットなどいらないのだ、と思っていた。それまでは。

ところが、設定していてハタと気がついた。

これまたなつかしのPPPoEというやつかっ!まだ現役だったのかっ!

最近はプロバイダが送ってくるシリアル番号で登録の済んでいるルーターを接続するだけでいきなりつながるIPoEにめっきりなじんでいたので、この「ルーターの管理画面を開いてIDとパスワードを設定する」という手順をすっかり忘れていたのだ。

PPPoE回避作戦 

ちょっと待てよ、こんなに戸数の多い集合住宅でいちいち認証通していたら、ピークタイムの回線速度なんてたいして上がらないのではないか、という予感は結構あたる。

 

光ケーブルを引き込んでもらったおかげで、昼間の接続スピードはだいぶ上がったような気はした。(もっとも無精者でいちいち回線スピードをはからないので、一部始終「気がする」というだけのぼんやりした話にはなる)。しかし、あいかわらず夜のピークタイム、一台のパソコンで動画を再生しながらもう一個何か負荷をかかるような作業をしたりすると、ストレスがたまる程度に回線が止まったりする。

 

ここまで来てあと考えられる突破口は「PPPoE接続を回避したい!」というところである。

 

 調べてみるとソフトバンク光で貸し出している月額500円弱のBBユニットを使えばIPoEで接続できるうえにIPv6も使える。IPv6がどれほどのものかまだあまりわからないのでそれほどこだわりがないが、使えるものなら試してみたくはある。しかし我が家の無線ルーターはIPv6対応ではない。となるとBBユニットに無線LANパックを付けてIPv6を試しに使ってみるというところが妥当となる。

だがBBユニット(467円)にWi-Fiマルチパック(990円)をつけると、月額がすごく高くなるじゃないかっ

 

ここでいったん携帯電話のキャリア乗り換え

いろいろとプランを調べるにつけソフトバンク光も無茶な売り方なさいますな、と思ったことには、系列の携帯電話会社(ソフトバンク、ワイモバイル)と紐づければ、電話料金の方も割引がつくうえに、BBユニットレンタル、Wi-Fiマルチパックに光電話までつけて1924円のものが500円になる。光電話なんてぜんぜんいらないけど、月額500円でPPPoE回避とIPv6のお試しができるならつけてもらってもいい。その500円分はスマホ代金の方で割引にもなることだし、損する道理はない。

 

ということでこれまで長年使ってたiPhone5sに限界を感じていたタイミングだったので、UQモバイルからワイモバイルに乗り換えつつ同時購入でiPhone6sを買った。機種代金は二万円の三年分割。どさくさ紛れのタイミングだったわりにはまあまあの買い物だった。

 

ソフトバンク光でBBユニットと無線オプションのパックに加入手続きをし、ワイモバイル乗り換え終了したところで「おうちわり」にも加入。

晴れて、無線オプション付きのBBユニットが我が家に送られてきた。なんか道のりがすごく長いぞっ。

 

IPoEとIPv6がやってきた!

ついに我が家にもたらされたBBユニット。今度こそ、これで接続速度も安定するに違いないと、喜び勇んで無線ルーターを外し、BBユニットを接続する。パソコンとiPhoneに無線設定をして「よし完璧だっ」と息巻いた。

 

息巻いたのはいいが、これがまたやっかいなことに、今までより頻繁に切断が起こるようになってしまった。せっかくここまで色々やったのだから、なんとか「気のせいだ」と思い込もうとしてしばらく様子をみてみたが、やはり明らかに切断が増えている。しかも時間帯に関係なく、明らかに回線に余裕のありそうな時間でもだいたい同じペースで切断が起こる。

 

あとはどんな対策のとりようがあるのか。IPv6が悪いのか。

調べるうちに、ひとつ気になることがヒットした。いわく「BBユニットはWi-Fiが弱い」というものである。たしかに、時間帯に関係なく切断が頻繁に起こるのであれば、インターネット側の問題ではなくLAN側が原因なのかもしれない。

 

ためしに、BBユニットの管理画面から無線接続を無効にしてみる。いったんしまってあった我が家の古いBUFFLOの無線ルーターをまた出してきてブリッジモードに切り替えてBBユニットにつないでみた。

 

これで快適なのである。ぜんぜん切断は起こらない。

「なんだー、これでよかったのかー。あははは」

などとしばらく喜んだはいいが、我が家の、おそらく5,6年は使ってるであろう古い無線ルーター、しかもそこそこ「手頃な値段」でビームフォーミングだとなんだのの機能とは無縁なやつと比べて、最新のBBユニットに搭載しているWi-Fiの方が非力というのは結構問題あるのじゃないか。

 

携帯キャリアを乗り換えてまでBBユニットをレンタルしたが、結局IPv6は使っていないし(我が家の無線ルーターが対応してないからね)、Wi-fi機能も自前だ。IPoEで接続できるようになったのはおそらく安定化に効果があったが、結果論で言えばWi-Fiマルチパックの加入は、必要なかったのだ。

別に携帯キャリアを乗り換えことによって何か損をしたわけではないので、全然いいのだが、なにか微妙に釈然としないような気がしないでもない。

 

結局IPv6がどれほどのものなのかはよくわからないままである。ためしてみたいと思えば対応する無線ルーターを自前で買わねばならぬということにはなりそうだ。

IPv6対応も、調べてみればそこそこ安い値段からあるもんだな、とも思うものの 「普通に使えればそれでいい」ので、なにか不具合が出るまで当分買い替えないだろうな。