晴天の霹靂

びっくりしました

ホームベーカリーはあると便利か ~実はそんなにパンを焼いてない

 ここ数日たいへん寒いので、焼き芋を食べながら近頃我が家のホームベーカリーがどんな具合で暮らしているのか近況をお伝えしようと思います。

 

 我が家にホームベーカリーがもたらされたのは、思い起こせば2018年の春、1年半ほどのお付き合いです。いただきものだったこともあり、何がしたいという具体的なビジョンもないところからのデビューでした。

「炊飯器もないような家にホームベーカリーがあるのも妙なんじゃないか」

と思ってたもんです。

 

ところが家にいざ置いてみると調理家電としてはめちゃめちゃおもしろいのです。「ホームベーカリー」だと思って見てしまうとパンしか思い浮かばなくなりますが、要するに、「捏ねる、混ぜる、発酵、保温、加熱」が自動で可能な調理器具ってことです。

そこまでいろんな機能が一か所に詰まっている調理家電というのもちょっと珍しいので、思い付きでいろんな遊びができて楽しいことこのうえない。(逆に一台になんでも詰め込み過ぎているのでハマりだすとそれぞれちょっと物足りないところもあったりすると思いますが。)

 

最初にハマったのが発酵で、甘酒作ったり、ヨーグルト作ったりしました。何かを発酵させるという実験はだいたい常に面白いもんですが、特にヨーグルトはもともと好きな食べ物なので欠かさずせっせと作りました。しかし、大量に作ると大量に食べてしまうため牛乳の消費量が激増、このままでは私のせいで子牛が絶滅するのではないかなどの危機感を覚えて中断するに至りました。自制心大事。

 

そのあとは餅づくり。機能として「餅つき」のある機種ではないのだけど、「捏ねる」機能で蒸かしたもち米を攪拌してみたらちゃんと餅になったのは大変面白かったです。ただ「もちつき機能」が付いている機種と違って蒸すのは自分で鍋からしなければいけないのでちょっと手間がかかります。やってみて「できる」ということを確認したあとは手軽にしょっちゅう作る、という感じには至りませんでした。

 

その後やっとハマったのがパン作り。これも奥が深くて面白いのは、味とコストのバランスをどのあたりにするかっていう探究でした。

パンの味ってほぼダイレクトに小麦粉の味なので、いい小麦粉を使えばそれだけおいしくなります。そういう「満足度」を追求してちょっとずつ高級化していくと「パン屋さんではこの値段でこの味のものは買えないな」というところに行きつきます。してやったり。

 

逆に「どれくらい安く作れるか」という方向に興味をもって激安小麦粉を探してきて作ると、スーパーで売ってる一番安い食パンとだいたい同じ味になります。そしてコストはスーパーの安いやつを買ってくるほうが少し安い、くらいのところに落ち着きつきます。作ったらすぐ食べきるような大家族食事スタイルの家なら「焼き立て」という最強メリットを多いに活かしきれるのでホームベーカリーに分があるでしょうが、単身者が数日分焼いて冷凍保存でちょっとずつ食べる、というスタイルだと、そのためだけならばスーパーの方がいいような気がします。

 

ライ麦を発酵させて日本では手に入らないガッチガチの酸っぱい本格ライ麦パンを作る、みたいなマニアックな求道には超便利です。結局うまくライ麦酵母を維持をしきれず諦めたけど、趣味としてハマるには最高に面白い世界。また暇ができたらやりたい。

 

「時々イベント的に作っておくと便利」なものは、ピザ生地です。ピザなんてそうそう食べないだろうと思うなかれ、まとめて作って冷凍してあると便利なんですから。

ピザ生地自体はたいした発酵もいらず30分くらいでできるので、それを等分に分けて丸めて一個ずつポリエチレンの袋に入れます。そして袋の上から麺棒でぐりっと伸ばすんです。そうしたら袋ごと平らに冷凍庫にいれればOK。食べるときに袋をはがしてチーズと適当な具をのせて魚焼きグリルで焼くだけなので、冷凍庫にあると安心感があります。「こちとらいつお腹が空いたって大丈夫なんだからなーっ」という強気で辛い世の中も生き抜いていけます。

 

あと焼き芋。さつま芋がたくさん出回る冬は、野菜充実系のお店にいくと「焼き芋用には売れないんですよ」っていう感じの細くて小さいとか不ぞろいの芋をまとめて売っているのを見かけますから、せっせと買ってきます。すごく細い芋は魚焼きグリルで焼いてしまいますが、グリルに入らないサイズの場合は、皮ごとあらってそのままホームベーカリーにどんどん詰めて低温で90分くらい焼きます。芋の太さによって焼けてるところと生焼けのところがあるくらいで十分なので取り出して全部一口大に切って冷凍

お味噌汁の具に2つ3つパラパラ取り出して使うと超便利、あるいはレンチンしておやつにもいいのです。安い芋に出会いさえすれば迷うことなくすぐ買うのはホームべカリーが放置で焼いてくれるという安心感ゆえ。

冬期間のビタミン豊富な野菜の確保として大変心強いです。最近はこの方式で「冷凍かぼちゃ」はどうかなということを考え始めているので近々ためしてみようと思います。

 

ホームベーカリーの機能について調べてたときに面白かったのはこの記事。

katsumakazuyo.hatenablog.com

ホームベーカリーってなぜあれほど価格に差があるのかわかりにくいんですが、捏ねに差がつくインバーター搭載かどうかがひとつ大きな分かれ目らしいって話です。

つまるところ、主にパンを焼くのが目的の人は、入ってた方がいいんじゃないかインバーター。焼き芋とか発酵とかピザとか寄り道メインの人ならなくてもいインバーター

 

ともあれ、経費と満足感と栄養バランスなど、いろいろ考えていくと、日本に住んで

限りは主にお米食べているのが八方丸く収まるなということろに着地するのはありがたいことです。趣味と実益を兼ねて調理の幅を広げるならホームベーカリーあるとより便利。