晴天の霹靂

びっくりしました

11月に買った電子書籍 7タイトルくらい

 

11月に買った電子書籍

振り返ってみたら図らずも漫画の多い月だったのでちょっと照れた。いや、照れる必要はないか。

 

ゴールデンカムイ(英語版)

今月は4~6巻まで読んだ。活劇としてはやっぱり抜群に面白く、『ターミネーター2』でシュワちゃんがやった”ショットガン片手リロード”を、こちらでは枯れ専老人土方歳三がやるあたりとか、映画的にかっこよくて、読んでると「天才かっ!」って声が出る。年明けにくる実写版では舘ひろしが土方をやるっぽいけれど、片手リロード出るかしら?

 

街道をゆく オホーツク街道

広大な北海道は東と西でだいぶ文化が分かれることもあって、文化的繋がりが本州よりも樺太千島に強いオホーツク方面は特に面白い事が多いなあと思う。

印象深かったのは、井伏鱒二太宰治の風貌を評して「あれは北方ギリヤーク人の顔立ちだ」と言ったという昔話だ。実は写真で見るに、私の祖父は太宰によく似ており、家族の中でもちょっと異質な顔立ちだったらしい。さすがにそれを持ってして即座に面白げなこじつけをひねり出そうとは思わないが、最近色々調べ始めた直系子孫としてはちょっと心に留めてしまう逸話ではあった。

 

シュマリ

1~4巻。明治初期の北海道が舞台の男一匹冒険譚。明治政府が入ってくるまでの北海道がいかに”無主地”だと解釈されていたかが克明に描かれている。さすがよく調べてあるものだなあ、と感心させられる一方で、女性キャラクターの行動原理がいまひとつよく分からなかったりもして、そういうアンバランスさも面白い。

 

がいなもん 松浦武四郎一代

北海道の名付け親松浦武四郎の一代記。要するに幕末の冒険家であり、当然面白い人である。然るべき方向に適度になびいて静かにしていれば出世栄達の道もあったのだろうけど、変な老人として生涯を閉じる愉快。

 

ばらの森にいた頃 (他)

今月は雲田はるこさんにハマって『ばらの森にいた頃』『野ばら』『Rせんせいのおやつ』『窓辺の君』と5冊も買っていた。

どうしてラブストーリーは男女のものより男性同士の方が圧倒的に楽しめるかって考えれば、やっぱり異性愛では性別役割期待がどうしても前面に出がちになるのがノイズに感じるからだろうなあ。

『ばらの森に居た頃』という作品は、転生しつづける吸血鬼が黒猫ちゃんになって好きな人と再会する最後のひとコマであっさり落ちました。きゅん

 

エイジズムを乗り越える 自分と人を年齢で差別しないために

この本は本当に面白かった。自分自身が年を取っていく過程で「なんかこれって面白い気がする」という予感を感じるのもさることながら、親が年を取っていくのを目撃するというのも同時にファンタスティックなことだ。

これを社会の通念の方で何か悲惨なことであるかのようにプレッシャーとストレスをかけて萎縮させてしまうのだとしたら、それほどもったいないことはないではないか。

こないだ久しぶりに老父に会ったら机の上にメガネ2つとルーペを並べてトドックのカタログを広げており、サバの味噌煮にピンクの蛍光ペンで印を付けてあったのを見て、あたしゃ本当に感動したもんです。長く生きることって素晴らしいだろ。

 

赤い人

買ったばかりでまだ読んでいない。北海道開拓に使役された囚人たちをめぐる小説。北海道の歴史を遡ってみようかと思ったときに、興味をひかれるのは、不可視化されてきた、最も過酷な労働を担ってきたはずなのに今まで私が知りもせずに暮らせてしまった人たちのことでもある。囚人、先住民、朝鮮人。まるで屯田兵だけが北海道を作ったかのように思いこんできた中で、本当に知らないことだらけだ。資料は多くはないけど、今更でも探せば多少啓かれる蒙もあるかもしれない、と思う。