令和の途中恐れ入りますが、ここで西部警察の話です。
私もたいがい「昔の人」枠になってはきたものの、ギリギリ『西部警察』は見たことがないくらいのお年頃です。
「石原軍団が車をバンバン燃やす番組」という言い伝えくらいは、もちろんかねがね聞き及んでおりました。
それが、1979年の札幌でのロケ回があると聞いて急に具体的な興味がわいたではありませんか。
調べてみるにタイトルが『北都の叫び-カムバック・サーモン』となってるをみるにつけても、
「あれ?ちょっと道民バカにした?」
みたいなワクワク感がつい盛り上がり、エピソードレンタル220円、ちょっと高いなと思いながら買ってしまいました。
思い起こせば亡き母が、時々妙な節まわしで「カムバック サあああモンッ!」と歌って(?)いたものです。
まあどうやら私が物心付く前くらいに地元の川に鮭を呼び戻そうという運動があって、その運動のサウンドロゴかテーマソングだったんでしょうよ、とおぼろげに思っていたのがカムバック・サーモンのごくごく薄い接点です。
ロケ当時で私は2歳。サーモンはさておいても、駅舎とか、記憶にうっすら懐かしいものが映っているのを探すのはなかなか楽しいものです。
しかし、まあそれよりですよ。
西部警察を見るのがまず初めてで、とりあえずそっちがびっくりしますね。
「車を燃やす」って聞いてたから「燃やすだろうな」とは思ってましたが、まさかあんなに話の流れがわからなくなるくらい脈絡なく燃やすとは思ってなかったですし。
なんか悪そうな面構えの人が居たらとりあず取り囲んで殴ってみる警察ってのも最近あんまり見ない描写ですし。
かと思えば一見斬新なことやってるように見えてSEがいちいちクラシックな怪獣映画みたいで急に微笑ましかったり。
今やイケオジ代表である舘ひろしが完全に「かわいこちゃん枠」になっていて、チャーリーズ・エンジェルみたいにピチピチのレザースーツなんか着せられちゃってるのがおかしいやら。
「なにこれ、笑いが止まらん」
などと思いながら見ていたところ、ついに覆面パトカーがガルウィングで開いたに至っては座っているのに腰抜けた。
覆面の意味とは。
カムバック・サーモンについては、生まれた川に遡上してくる鮭と父子の絆を重ね合わせてなんらかのストーリーを作ったりはしておりましたが、全体としては誰もそれどころではなかったようです。
劇中では「鮭が今日帰ってきます!」とか言ってテレビ生中継してるシーンまでありましたが、鮭の方もツアーじゃないんだからそんなに日時決めて遡上してくることはなかったでしょうし、札幌市民も昼間からあんなに河原に群れをなして見にいくほどは暇じゃなかったのではないかと推測される。
あと、あんなに川べりでどっかんどっかん火薬を燃やしてたら来る予定の鮭も来なくなるのではないか。
とはいえ、うちの父はいまでも鮭の遡上を見張りにいっておりますし、札幌のおじさんは鮭を見に行くのが好きな人、結構多いですね。
カムバック・サーモン運動が長く実を結んで良かった良かった(そういう話だったんだろうか?)