晴天の霹靂

びっくりしました

猫も元気で屋根と床のあるところで暖かく暮らせますように

ダウンジャケットというものを買ってみたら、あまり暖かいのでびっくりした。

ダウンってユニクロが安く出すまで、これほど誰も彼も着ていなかったではないか。

「みんなちょっと一斉にマシュマロマンみたいになりすぎじゃないのか」

と思って、ずっと古いウールのコートを着ていたのだ。

昨日まで肩をすくめて歩いていたものが、今日はむしろ暑くて前を全開にしてノシノシ歩く。

そうか、こんなに暖かいからみんなマシュマロマンになったのだなっ!

と合点がいく。

いくつになっても新たなる発見があるとは嬉しいことだ。

 

年齢が行けば行くほど「言っても居心地悪いし、言わなくても居心地悪いし」という感じになるのがちょっと面倒くさいのだが、押しも押されもせぬ誕生日である。

別にめでたくはないが、ここまで息災だったことがありがたいことなのは間違いない。

そういうわけで、「息災感謝デー」として非常持ち出し(ってほどのこともない)リュックの中身をちょっと見直してみたりした。

 

「イザというときになら使うんじゃないかしら」

という曖昧なガラクタが色々放り込んであるので、いずれちゃんと見ないとならぬとは思っていたのだ。

感染症対策の目玉として送付されてきた布マスクまで、どうしたらいいかわからないままに放り込んである(260億円も掛かってもったいなかったなあと思って捨てられないのは困ったもんだが、さりとて返納したら260億もらえるってわけでもない)。

乾電池も、開封しているものは使いきってしまうことにして、新しい10年長持ちエボルタネオ君未開封と入れ替えた。

ポータブルラジオやヘッドライトなどすでに電池が入っているものは新しいのに入れ替えて動作チェック、入っていた乾電池は普段使う用に回す。

乾電池式モバイルバッテリーは妙に古くて怪しいうえにケーブルもないので新しいのを注文。

幸いにして2018年の北海道ブラックアウトくらいしか災害の当事者になったことがないので、どうにも欠乏の想像が電力にばかり傾いているようだ。

まあまあ、それくらいのことなら「息災祝」としてたまにやっておいてもよろしかろう。

 

高台の集合住宅に住んでいる私としては、何かあってリュックを担いで逃げるという状況はいまひとつ想定しにくく、ライフラインが止まった状況で猫と一緒にこの部屋にとどまる、という状況のほうがより起こりやすそうなことである。

非常持ち出し袋」というよりは「非常居座り袋」といったところであり、闇雲に「袋」にする必要が実はよくわからない。

なんとなく流されてリュックにまとめてるが、実は何を想定してるんだ、自分。

 

前からちょっと欲しかったハクキンカイロを、つい買った。

ガスも電気もない場所で暖を取るのにも使えるから、兼非常用装備と考えればそう贅沢には入らないのではないか。

これからの季節は、マウスを握る手がとにかく冷たく、レンジで温める湯たんぽは気持ちはいいがちょっと冷めるのが早い。

使い捨てカイロの13倍温かいとかいうオイル式カイロがどうにも気になっていたのだ。

非常時にも、普段にも、半永久的に使える真鍮製の懐炉なんて、道具としても超テンション上がるではないか。

そういうわけで、また一年生存する方向で色々再検討した誕生日であった。