ついにバリバリサラダが割れた。
ボウルの部分が大きくパカっと割れてそこから水が漏れる。
ずいぶん活躍したもんだ、と思って購入履歴を観たら2016年の4月に購入している。
たった600円程度の物で4年も活躍するとなれば、こちらとしてはありがたいが、作ってる方は儲からないだろうなあ、などと余計な心配までする。
それまでは、「かさばるし、いらんだろ。そんなにサラダばっかり食べる訳じゃないし」と思って、野菜の水切りはさらしやキッチンペーパーでしていたのだ。
「いやいや、あるとだいぶ便利だよ」という話をどこかで聞きつけて、まあ600円なら試してやってもいいか、と買ったものだ。
サラダも手軽でうまくなるが、葉物野菜の保存に何より重宝する。
水菜でもカブの葉っぱでも、買ってきたらすぐに全部切ってサラダスピナーのボウルに50度のお湯を張った中で軽く洗う。
なんだったか原理は忘れたが葉物は一旦お湯で洗うと味もいいし長持ちするのだ。
ためしてガッテン的なナニカだ。
人類はためしてガッテン的なナニカが好きだ。
ぼんやりしていて熱湯で洗ってしまうと大量のおひたしになるので、用心する。
おっかなびっくり指を入れて「あっつ!」っていうくらいの温度になっていることが肝要である。
お湯で洗った葉っぱは、上からワシっとつかんで水切りザルに移していく。
じゃーっとお湯ごと水切りザルに開けてもいいけど、土汚れとかは下にたまっているので、上から葉っぱだけ掴んで移した方が綺麗。
あとはお湯と汚れを捨てて空になったボウルに水切りザルをセット、ハンドルをぶんぶん回して水を切る。
タッパーの底にキッチンペーパーを敷いて、今水を切った葉っぱを入れ、さらに上にもキッチンパーパーを載せて蓋をする。
冷蔵庫にはタッパーの天地を逆にしてしまう。
多少とも残っている湿気は、下(蓋側)のキッチンペーパーの方により多く吸収されているので、使うたびに蓋側のキッチンペーパーを新しいものに変えておくようにすることで湿気で傷むのを防げる。
このおかげで葉物野菜は劇的に扱いやすくなった。
使いたいときはいつでもタッパーから必要な分だけつかみ出せばいいだけだし、
使い切るまで葉先が溶けるような悲惨な光景に遭遇することもまずない。
サラダを作るときもとても便利だけど、何よりも葉物野菜を適切に保存するために、買い物から帰ったときに必ず使い続けて四年だったのだ。
「すっごく便利だけど、やっぱり600円なんだな」と毎回痛感させられる水切りざるのヘナヘナ感とか、ハンドルを回したときのカタカタと心細い音にもずいぶんと愛情を感じるようになった。
だがしかし、やはり割れた以上は、もう少し金額の張る頑丈なのに移行しておいた方が良いのだろう。
もうちょっと、ヘナヘナぺこぺこしない、強気のサラダスピナーを。
そう思っていろんなサラダスピナーを一旦カートに入れてみて
「ふふーん?」
などと言いながら眺める夜夜を送っていたら、ついにこちらの内心を見透かしたように、いくつかのサラダスピナーがタイムセールになっていた。
お洒落なOXO(セール価格3325円)と、名前からして実直なパール金属(セール価格1282円)である。
サラダスピナーなるもの、ただ水を切るだけなのになにゆえかくも値段が違うのか。
「ふふーん?」
などと言いながらだいぶ見つめたあと、厳かにパール金属製を買ったのである。
届くのが楽しみだ。