いつのまにやらプライムビデオに『大草原の小さな家』が入っていました。
子どものころNHKで放送していたのを見ていて、原作が児童小説であることをしてクリスマスに本を買ってもらったりなどした思い出深いテレビシリーズです。
思えば、私の海外ドラマ初体験がこの作品かもしれません。
放送期間も長かったのでいろんな都合があったのでしょうが、驚くほど原作から離れていくのですよね。
元々はアメリカ西部開拓の時代を生きた一家の質素な物語です。
ロビンソー・クルーソー的サバイバルとか、19世紀のホームドラマとしての料理やライフスタイルやファッションの丹念な描写とか、一人の女の子が成長して仕事を持つまでを観察した成長譚とか、多方面で興味深い作品だったんです。
原作でもドラマでも、とにかくローラの個性が朗らかで素晴らしい
当時、見ていた私も主人公のローラ・インガルスとともに成長していきますから、原作に書いてあるネタがだいたい出尽くしたところで猛烈な勢いで別作品になっていくのをうすうす感づいておりました。
なんか家族がやたら人数増えていくなとか、
どうにもならないことでいちいちセンチメンタルメロドラマが入って情緒不安定一家みたいになってるな、とか
疑問をもちながら見ていたのですが「様子がおかしい」の度合いはどんどん加速していき、最終的には死人が生き返ったり、ダイナマイトで街を破壊したりする、ホームドラマとしては仰天の超絶展開になっていったのです。
一家の父親役であるマイケル・ランドンが脚本も書いてるのはクレジットを読んで理解していたので、さすがに「殿、ご乱心を」という思いを、あの頃はいったいどうしたものやら。
善男善女を混乱のるつぼに放り込んだダーク・ヒーロー、マイケル・ランドン
そんなぶっとび記憶が残っていますから
「これって最後すごいことになるんだよなあ」
と、ちょっと半笑いの気持ちで数十年ぶりに第一話の冒頭を観たんです。
ところが、1974年制作でよくこれ撮ったな、というくらい魅力的な映像でちょっと驚きました。
ワクワクするようなたくさんの生活道具をごちゃごちゃとつんで走る幌馬車も、
だだ広い大草原の壮大な風景も、
とにかく存在が朗らかで可愛いローラも、
一気に引き込まれる冒頭の力強さでした。
やっぱりこれだけの力がある映像だったから一生懸命見ていたし、本も買って大事に読んだし、マイケル・ランドン乱心後も離れずに見ていたんだな、と思いのほか素直な気持ちになったものです。
私もだいぶ大人になったので、ここで数十年ぶりにあらためて「マイケル・ランドン乱心の謎」に注目をおきつつ、『大草原の小さな家』を見直してみようかな、と思い直したところでした。
海外ドラマ「大草原の小さな家」(シーズン1~9・全話) 一挙放送<60秒Ver>海外ドラマ専門チャンネルAXN
AXNの宣伝用動画。60秒で十分涙腺にくるのだから子どものころ見たものというのは印象が強いものです。
クリスマスにもらった原作シリーズ。私が白くてスベスベした石鹸に愛着を持つのも、たぶんこのシリーズの影響。