晴天の霹靂

びっくりしました

『変態紳士』~不安になるのはそこじゃない

 

kindel Unlimitedに加入しています。

言わずと知れた本の定額読み放題サービス、開始したときは電子書籍すべてが対象なのかと早合点して、夢の時代到来かっ?と思ったもんです。

実際のところは「これ読みたい」と思う話題の本はほとんど対象に入ってないので、「読みたい本は、買う」という読書生活の基本を変革するほどのインパクトは、なかったのですよね。

とはいえ月額980円で30万タイトルとかから読み放題となると、月に一冊くらい読みたいものを見つければだいたい元は取れるうえに、光文社古典新訳文庫あたりにも大量の対象本があるので「何か読みたいのに興味ある本が一冊も見当たらない!」という事態はほぼないわけです。

どんな本があるのか探しにくいという難点はあるものの、kindleで読書する習慣のある人だったらほぼお得になるであろうシステムなのは間違いないと今でも思っています。

www.amazon.co.jp

 

読書以外にも使い方あるもんです。

私は寝る前にラジコのタイムフリーで夜のワイドニュース番組を聞きます。

ニュースを聞いていると、まだ灯りを付けているうちは手持無沙汰なのでなんとなくkindle端末を手にして本も開いてしまいます。

ところが、耳に入ってくるニュースも日々、色々です。

「はいはい、そのニュース知ってる知ってる」という確認程度で脳みその表面を上滑りしていくニュースもあれば、「なんとヘッドラインだけでは意味分からなかったがそういう話だったのかっ!」と解説に聞き入るニュースももちろんあり、その時々で集中力は色々です。

 

kindleマルクス・ガブリエルとか開いていても理解できるほどそっちに集中力注げないときもありますから、そういう時はガブリエルは閉じて、気楽に眺めていられる「kindle unlimited」のストアページを開き「へへーん、世の中にはこんな本があるのか」などとぼんやり思いながらニュースに耳を傾けつつ膨大なタイトルをぺらぺらと見ていったりします。

そんなこんなしているうちに、「ただである」ということに背中を押されて変な本をうっかりダウンロードしてしまう、ということもおこりますよね。

それなりに深夜ですから、ちょっとテンションもおかしいのです。

 別に私そこに全然興味ないですけど?というようなものを「どれどれ」とか言って突然読みはじめるなどの事象が発生しうる。

 

変態紳士

変態紳士

  • 作者:髙嶋政宏
  • 発売日: 2018/10/10
  • メディア: 単行本
 

 生まれたときから家族全員が有名人で、ずっと見られ続けているという状況はやっぱり大変なのですよ。

見られてるってことは、常に軽い躁状態であることを求められているようなわけで、そんな中で人とアクセスするには丸腰でいくより、自分から率先して極端なイメージ武装をした上でコミュニケーション取っていく方がまだやっていける、ということなのかもしれないな、ふむふむ。

……がっ、そんなことより、寄ってくるスピリチュアル系の怪しい匂いのする人々に次々と気分よく騙されていってるようにしか見えず、とりあえず「変態」より「心配」が先に立つ、その点はどう思っているのか。

いやいや、生計と心の平安を保てるのであるば、スピリチュアルであること自体には特に問題はないはずだ。

いろんなことにハラハラしつつも、しかし一切ニュースの邪魔になることもなく、一国の緊急事態に白熱する国会論戦を聞きながら一滴の集中力も割かずに無事読み切ったのでありました。

 

そうして朝、kindle端末を立ち上げてみれば、マルクス・ガブリエルとトーマス・セドラチェクの間に首輪をしたドアップのヒゲ写真が表示されたことに焦って迅速に「返却」の処置をし、デジタルの世界から昨晩の己をなかったことにする。

unlimitedに入っておけば、980円でそういう幻のような体験もできるのでありす。

なんだったんだ、昨晩の記憶は。