晴天の霹靂

びっくりしました

コンクリートを冷ます雨

どこかでゴロゴロゴロと音がしたと思ったら、思いの外近くでドッシャーンと残暑の底を叩きつけるようなとどろきが聞こえる。

突然の落雷を聞きながら驚いているのは、「気温30度ってこんなに過ごしやすかったかなあ」ということだ。

雨が降っているとあっては湿度も高いままではあるが、ここのところずっと続いていた猛暑で限界まで熱を溜め込んだ集合住宅のコンクリートが雨に冷やされ、すーっと音を立てるように温度が下がっていくのか感じられる。

最上階で、太陽光を全部受けた屋根の熱の直下で暮らしている我が家は、冷えるのも一番最初なのかもしれない。

巨大なコンクリートが冷えてしまえば、家中の窓を開けた室内は風が南北に通り抜け、極めて爽やかな居住空間である。

連日の猛暑を受けて慌てて買ったすだれが窓辺で時折揺れる様子も、築年数半世紀に近い質実剛健な部屋に似合って今日は粋に見える。

 

面白いのは、人と猫、ほぼ同時に食欲が出て来る様だ。

台所で自分のぬか漬け胡瓜を洗っていると、いつになく機嫌の良い猫がしきりに話ながら寄ってくる。

「なになに?さっき食べたでしょ。ごはん、もう一回食べるの?」

ああそうかい、かわいいねえ。と自分の餌皿の前に座り込んだ猫の額をグリグリ撫で回し、せがまれるまま銀の皿にカリカリを補充する。

小さな歯で旺盛にドライフードを噛み砕く音をしゃがみこんでしばらく聞きながら、ずいぶんほっとしたものだ。

観測史上最長の連続猛暑日とやらにはえらい目にあったけど、君が健康でいてくれて本当に良かったよ。

……この雨が止んだら、また暑くなる気なのかしらねえ。

 

 

 

天津すだれ 88×100cm

天津すだれ 88×100cm

  • 二村製簾(Futamura Seiren)
Amazon

特別の工夫もない普通のすだれ。窓からの直射日光を避けるためにカーテンを閉めると今度は風が通らなくなるのに困って初めて買ってみた。

風通しはいいし、中からは見えるけど外から見えないし、予想以上に優秀なのはありがたかった。

ダブルクリップとS字フックでカーテンレールに引っ掛けて使ってる。