晴天の霹靂

びっくりしました

カーテンの向こうきさらぎ猫の足

猫が爪がカーペットにひっかかって歩きにくそうにしているので久しぶりに爪を切った。

うちの子はずいぶんと爪切り嫌いの猫で、ほとほと手を焼いたものだが、最終的にYou Tubeでキャットグルーマーの動画を見て研究した結果、抱っこさえさせて貰えれば切れるようになった。

爪切りを持ち出す前にしっかり胸に引きつけて抱っこのポジションを決め、猫が一番落ち着いて、かつ暴れにくいように手足の位置を安定させる。

あとは機嫌を取りながらさっさと切って、嫌そうな素振りを見せたら鼻歌歌ってチークダンスを挟んだりしつつ、なんとなく狐につままれてるうちに速やかに終了させる。

暴れん坊スイッチを入れないようにする以外に、猫の協力を仰ぐ道はないのである。

 

そんなわけで久しぶりにすっかり爪先の丸くなった猫は、カーペットの上を走り回るのは快適そうに見えるが、キャットタワーに駆け上るときはズルっと滑る。

これは人間のために爪切りに協力してくれたからこそ起こるハプニングなので、彼女にとってはいささかも恥じることではない。

それでもキャットタワーから足を滑らしてぷらーんとぶら下がる猫の姿は可愛く、バレないように顔をそらして一瞬笑ってしまうのではある。すまん。

 

猫にとって最高にテンションの上がる春の気配がやってきているので、昨今ではちょっと運動させないとゆっくり寝てくれない。

いきおい、深夜布団の上で猫じゃらしをして遊ぶことになる。

昔からお気に入りのエビさんの付いた猫じゃらしが、今年もまだお気に入りだ。

折からの電気代高騰への対策として今までレースカーテンだけ吊るしてあったガラス障子の窓に防寒用のカーテンも追加で吊るしたところ、猫は熱烈に、レースカーテンと防寒カーテンの間の隙間を支持した。

カーテンとカーテンの隙間に入り込み、そこから真っ黒の瞳をランランと光らせてこちらに圧をかけてくる。

何を要求されてるのかわからないけど、とにかく猛烈に何かを要求されている。

なんだなんだ、何をすればいいんだ。

エビの猫じゃらしを投げる。

カーテンの隙間が黒い手が出てくる。

また投げる。また手が出る。また投げる。手が出る。

そんなに気に入ってもらえるなら、つくづく、カーテン買って良かったよ。