やっぱり熊っていいですね。大きくて。
近頃市内で毎日のように熊出没騒ぎのある中、わざわざ劇場までラリックマを見に行く必要があるのかどうか、ということについては悩みもしました。
それでもまあサービスデーでもあるし、と思ってふらっと行ってみたら、驚いたことに言っちゃ悪いがこんな映画にしてはずいぶん人が居るのです。
しかも、チケットを買うにも、席を探すにも、いちいちちょっとしたパニックになるような、つまるところここ何十年か映画館に来ていないとおぼしきご老人など数人おられる。なんという、熊が道民を魅了する力の強さよ。
「熊がコカインでハイになる、というひとネタで９０分どうするんだ」といささか半笑いの構えで観に行きましたが、とってもセンスの良い映画で大変面白かったです。
熊かわいいし、人いっぱい死ぬけど基本的にみんな楽しそうだし。
ひとりコカインを諦めきれずに食われていくゴッドファーザーも、まあ言うなれば自分の道を貫いて、それなりに幸せに死んで行った感があり、あんな最期のわりに全然陰惨じゃない。
ジャンル映画として必要な悪趣味さは保ちつつ、楽しくて、ストーリーも過不足なく、アニマルものとしても可愛く、各登場人物のそれぞれのキャラに似合ったファッションもぐっとくる。
意外なことにほぼ満点映画だったのでありました。熊最高。
