やや小ぶりとはいえ、丸ごとの白菜が安くなっていて
「ああ、もう白菜の季節が来てしまうのか」
と持ち上げてみれば、ずっしり重い。
一年ぶりに会う他人の子はやけに成長が早いみたいな話で、今年最初の白菜というのは改めて妙な迫力がある。
数年前から白菜の一番好きな食べ方はとにかく生だ。
外から一枚ずつ剥がして千切りにし、適当にドレッシングを作って皿に山盛りザバザバ食べる。
こんなに柔らかくてみずみずしくて甘い野菜、生食がメインのイメージが少ないのは不思議なことではないか、と思いながらシャクシャクシャクシャク食べる。
残ったぶんはまた明日のサラダになるべく、新聞紙に包んで立てておく。
異様にずっしりした存在感に、ぼんやり側を通りすがった猫が驚いて飛びのいた。
これこれ猫や、これは白菜と言って冬の風物詩であるぞ。