『アラビアンナイト 三千年の願い』を見てきました。
めちゃめちゃ楽しい108分でした。
終わらないお話っていいよねえ。
すでに見た友人に「面白かったよねえ」みたいな話をしますと、これがびっくりしたことに「いや、ちょっともう一回見ないとわからない。難しかった」などと言われたんです。
「どこをどう見たら難しいことなんかあるんだ。イスタンブールに行ってロンドンに帰ってくる話じゃないか」
「それだけなはずは無い」
「それだけに決まってるではないか。『マッドマックス 怒りのデスロード』を見なかったのか」
「いやいや、ぜんぜん違う。あの物語研究者がね……」
とか言いだすわけで、話がぜんぜん噛み合わなくてそのへんも興味深かったです。
『怒りのデスロード』が変な車が砂漠を走ってるだけで延々と見ていられる映画だったのと同じように、
物語とガラス瓶と孤独と少女趣味の服が好きな中年女性がひっそり暮らすだけで延々と見ていられる映画になるというのは、素敵なことではあるまいか。
どこかに行ったら帰ってくるというのは大事なことだし、帰ってきたら出発前より物事が少しだけ変化してるってのも大事なことです。
そして物語は人間よりはるかに寿命の長いものではあるけど、人間が大事に関わらないと死んでしまうものだってのも、まったくその通りだと思ったことです。
「いやあ、私も生きてるうちにもっとたくさんの物語を読もう」
なんてことを思いながら、終始ニコニコとして見てきたのでした。楽しかった。
ジョージ・ミラー監督の前作。行ったら帰る。これ大事。