晴天の霹靂

びっくりしました

臍のない煮こごり猫の甘え方

吹雪と吹雪の合間に惚れ惚れとするような冬晴れがやってくる。

新雪に埋め尽くされた晴天は、光の中の光、白の中の白、という色をしており、これほどの美しい風景は豪雪地帯の人でもなければ見ることもあるまい、などと思う。

路肩の雪山は一日でいきなり高くなって見通し悪くおり、そこらで雪かきをしている人たちはみんなくたびれた顔をして、狭い歩道で行き交う人はみんな「すみません」「すみません」と譲り合いながら互いに新雪の中に片足を突っ込む羽目になる。

そうは言っても、「それでも雪はいい」という気持ちは、冬の晴れ間を見るたびに年々強くなるようだ。

 

小粒で安くなっているいちごをひとパック買う。

見た目に傷が多いのはなんとなく気付いていたけれど、中のふた粒はカビが生えて食べられない。

今度はもうちょっと気をつけて見て買わないとな、などと思っていたら、中から白い小さな花が出てきた。

押し花になってしまってるとはいえ、こんな冬の一番深い季節にずいぶんと気の利いたサプライズに出会うものだ。

そうかそうか。どこか花の咲くような場所から、こんな雪国まで来るまでの間に、少しばかり傷んでしまったのだ。

ずいぶん遠くまで来てくれたものだね。